国内FXと比べるとどの業者もかなりスプレッドが広いと思われがちな海外FX。
中には国内FXにも遜色ないほど狭いスプレッドで数百倍のレバレッジを効かせてトレードできる海外FX業者もあります。
とは言え公式HP掲載のスプレッドとは別に取引手数料が発生して思わぬコストがかかったり、早朝や指標発表後にはスプレッドが大幅に変動したりと比較が難しいところ。
そこでこの記事では海外FXの中でもスプレッドが狭いことに定評のある5業者の取引コスト全体を調査・比較してランキングを作成しました。
さっそく見ていきましょう!
目次
海外FXのスプレッドが狭い口座ランキング
海外FX業者でスプレッドが狭く取引手数料が安い業者トップ5を並べました。
人気のある通貨ペア4銘柄で比較した表です。
日本人が最も多くトレードしているドル円の取引コストが安い順にランキングしています。
取引コスト ランキング |
ドル円 (USDJPY) |
ユーロ円 (EURJPY) |
ポンド円 (GBPJPY) |
ゴールド (XAUUSD) |
---|---|---|---|---|
ThreeTrader: Raw Zero口座 |
0.5pips | 0.7pips | 1.3pips | 1.3pips |
Tradeview: ILC口座 |
0.6pips | 0.9pips | 1.0pips | 0.8pips |
AXIORY: ナノスプレッド口座 |
1.0pips | 1.1pips | 1.6pips | 1.8pips |
TITAN FX: Zeroブレード口座 |
1.03pips | 1.44pips | 2.15pips | 2.81pips |
XM Trading: Zero口座 |
1.1pips | 1.6pips | 2.2pips | 3.0pips |
※取引コスト=スプレッド+取引手数料
取引コストが安い業者の中でもThreeTraderとTradeviewは群を抜いていますね。
取引する通貨ペアによっては上の表の順位にならないものもあるため、それぞれの口座の特徴をより詳しく見ていきましょう。
なお、海外FXのゴールドに特化したスプレッドや取引コスト比較は別の記事で詳しく扱っています。
ThreeTrader:Raw Zero口座
業者の特徴 | ThreeTrader:Raw Zero口座 |
---|---|
コスト最安通貨ペア | ドル円・ユーロ円 |
最大レバレッジ | 500倍 |
初回入金額 | 10万円 |
ThreeTraderのRaw Zero口座は「ドル円・ユーロ円」のスプレッドが業界最狭です。
FX初心者に優しいゆったりとした値動きが特徴のドル円・ユーロ円を取引したい方にとって、最も取引コストを抑えてトレードできる業者です。
ThreeTraderは2021年に新設された海外FXブローカーです。
その売りは何と言っても業界最安のスプレッド。取引手数料を合算しても業界最安であり、その他のあらゆる面でも業界最高水準のため注目しているトレーダーは多いです。
取引環境の良さが急速に口コミで広がり「低スプレッドの海外FX業者と言えばThreeTrader」と1番に名前が挙がるほどになっています。
Tradeview:ILC口座
業者の特徴 | Tradeview:ILC口座 |
---|---|
コスト最安通貨ペア | ポンド円・ゴールド |
最大レバレッジ | 200倍 |
初回入金額 | 10万円 |
スプレッドについて
TradeviewのILC口座はポンド円とゴールドのスプレッドと取引コストがとにかく安いです。
業界平均の取引コストと比べると3分の1程度のコストでトレードできます。
ポンド円とゴールドはボラティリティ(価格の変動率)が高く、短い時間で売買を繰り返すスキャルピングトレーダーに人気の通貨です。
うまくトレードできれば大きくお金を増やせる反面、思った通りに価格が動かなければ損失を大きくなります。
ポンド円とゴールドは中上級者や短期決戦を目指す方にぴったりな通貨ペアとなります。
業者について
Tradeviewは2021年にThreeTraderが設立される前までは業界最安の取引コストでトレードできる業者として認知されていました。
創業は2004年。他の主要な海外FX業者と同じぐらいの歴史があります。
最大レバレッジは200倍と海外FX業者としては低い水準です。
とにかく安いコストで国内FX業者の最大25倍のレバレッジよりは高い倍率でトレードしたい方に向いている業者です。
AXIORY:ナノスプレッド口座
業者の特徴 | AXIORY:ナノスプレッド口座 |
---|---|
ポイント | スキャルピング向きツールが使える |
最大レバレッジ | 400倍 |
初回入金額 | 2万円 |
スプレッドについて
AXIORYのナノスプレッド口座は人気のある海外FX業者の中で最もドル円のスプレッドが狭い(取引コストが安い)口座です。
ポンド円やゴールドなどボラティリティの高い通貨ペアでも業界水準と比較すると割安な設定。
人気のある業者の中でスプレッドの安い口座を選びたいならAXIORYのナノスプレッド口座がおすすめです。
業者について
AXIORYはおすすめの海外FX業者を紹介しているサイトでは必ず上位にランキングされている人気業者です。
スプレッドが安いながらも最大レバレッジは400倍、初回入金額も2万円~と「まず海外FXを体験してみたい」方にも優しい設定になっています。
約定力にも定評があり、狙った通りのトレードができる点が人気の理由です。
Titan FX:Zeroブレード口座
業者の特徴 | Titan FX:Zeroブレード口座 |
---|---|
ポイント | 高い約定力 |
最大レバレッジ | 500倍 |
初回入金額 | 2万円 |
TitanFXはAXIORYと同列で語られることの多い低スプレッド業者です。
そのウリは狭いスプレッドだけでなく、高い約定力。
独自の高速約定を実現するシステムを導入し、スキャルピングトレーダーからの評価が高い業者です。
TitanFXの評判”海外FXのスキャルピングに最適な業者”
XM TRADING:Zero口座
業者の特徴 | XM TRADING:Zero口座 |
---|---|
ポイント | 国内人気No.1 |
最大レバレッジ | 500倍 |
初回入金額 | 1万円 |
XMは海外FX最大手のブローカーです。
豪華ボーナスや質の高い日本語サポートが評価され、まず最初に使う海外FX業者として人気です。
スタンダード口座はスプレッドが広めとも言われますが、今回スプレッドを比較したのは狭いスプレッドを好むトレーダーのために作られたゼロ口座の値です。
レバレッジがスタンダード口座の1,000倍から500倍に制限されるものの、スプレッドはグッと抑えられ業界でもトップ層に食い込む水準で提供しています。
海外FXにおけるスプレッドとは
稼ぎやすい海外FX業者を選ぶ上でスプレッドが大切な比較項目であると伝えているサイトは多いです。
しかしスプレッドの狭い業者を選ぶことの「目的」やトレードへの影響をきちんと説明しているサイトは多くありません。
なぜ海外FX業者選びでスプレッドの比較が重要なのか……。
簡単かつ分かりやすく解説します。
スプレッドとは取引コストのこと
スプレッドとは取引毎にかかるコストのことです。
イメージとしては注文を出してポジションを持つたびにスプレッド分のコストを前払いしていることになります。
誰しもポジションを持った時点ではマイナススタートということです。
スプレッドの幅が狭いほど、最初に抱えるマイナス分が小さく済むため、すぐに利益に転換します。
一方スプレッドが広いとマイナス分がプラスになるまで相当分の利幅を取る必要があり利益を出すのが難しくなります。
なるべくスプレッドの狭い業者を選ぶことで稼ぎやすくなると言われるのはこのためです。
コストは取引手数料を合計して比較
海外FX業者でのスプレッドの他にも「取引手数料」がかかる口座もあります。
取引コスト全体を計算するにはスプレッド+取引手数料の合計で比較しないと本当に稼ぎやすい業者は分かりません。
このため本記事ではスプレッド+取引手数料の合計で海外FX業者を比較しています。
コストが稼ぎやすさを左右する事例
実際のチャートを元にスプレッドを含む取引コストがトレードの稼ぎやすさに与える影響について見ていきましょう。
下図はドル円(USDJPY)の5分足チャートです。
一定の値幅で上昇と下落を繰り返す「上昇トレンド」を形成しています。
引用元:TradingView米ドル/円チャートより
見やすくするためにもう少し拡大してみましょう。
引用元:TradingView米ドル/円チャートより
トレンドラインで反発したタイミング(109.210円)でエントリーします。
この場合取引コスト1pipsの業者では109.22円以上になれば利益です。
また、取引コスト2pipsの業者では109.23円以上で利益となります。
コスト1pipsの業者であれば5分と経たずに利益に転換しますが、コスト2pipsの業者では10分以上経ってようやく利益転換ラインです。
海外FX業者を選ぶ際に取引コストを比較する重要性が伝わったでしょうか。
口座を選ぶにはスプレッド以外も重要
口座を選ぶ際には取引コストのみで本当に稼ぎやすい業者を見つけるのは難しいです。
スプレッド以外にも注目したい比較ポイント5つを見ていきましょう。
- コストを左右する取引手数料
- 稼ぎやすさを左右する最大レバレッジ
- 透明性を示す取引方式
- 含み損許容率を示すロスカット水準
- 注文の正確性を示す約定力
コストを左右する取引手数料
前述した通り、取引コスト全体を比較するにはスプレッドだけでなく取引手数料も把握しましょう。
特にスプレッドが狭い口座では取引手数料が高い場合があります。
例)XM Zero口座(ドル円)
スプレッド0.1pips
取引手数料 往復1ドル
取引コスト合計1.1pips
スプレッドだけを比較して業者を選んだ結果、思いのほか利益が増えないというケースは少なくありません。
スプレッドと取引手数料を合算して取引コスト全体を比較するようにしましょう。
稼ぎやすさを左右する最大レバレッジ
海外FXでハイレバ取引をするなら最大レバレッジも大事な比較項目です。
同じ資金量でもかけられるレバレッジが違うだけで利益の稼ぎやすさが変わるからです。
例)
前提:証拠金1万円、1米ドル100円、1lot10万通貨、取引コスト1.0pips
・レバレッジ100倍の場合
100万円分のポジション=1万通貨=0.1lot
10pipsの値動き-取引コスト1.0pips=9pipsの利益=900円の利益
(0.10円) - (0.01円) (0.09円)(0.09円×1万通貨)
・レバレッジ500倍の場合
500万円分のポジション=5万通貨=0.5lot
10pipsの値動き-取引コスト1.0pips=9pipsの利益=4,500円の利益
(0.10円) - (0.01円) (0.09円)(0.09円×5万通貨)
同じ1万円の証拠金でもかけるレバレッジが5倍になれば同じ利幅でも5倍の利益になります。
そう考えると最大レバレッジが高い海外FX業者ほど利益を稼ぎやすいですよね。
透明性を示す取引方式
海外FX業者は採用している取引方式に違いがあり、ざっくり分けると3つのパターンがあります。
取引方式によって取引の透明性が大きく分かれ、利益の稼ぎやすさにも関わってきます。
最も信頼性が高い取引方式はECN方式です。
取引方式 | 特徴 |
---|---|
DD方式 | トレーダーとブローカーの利益が相反する トレーダーが勝てばブローカーの損失 トレーダーが負ければブローカーの利益 |
STP方式 (NDD方式) |
ディーラーは介さないものの 不透明な部分もある |
ECN方式 (NDD方式) |
間に業者を介さず電子取引所で 注文を自動マッチングさせるため透明性が高い |
海外FXトレーダーはDD方式の業者は必ず避けるという方も多く、業者選びにおける取引方式の重要性が分かります。
この記事でご紹介した業者の5口座はどれもECN方式を採用しているため、取引面では安心してトレードできます。
注文の正確性を示す約定力
約定力は特にスキャルピングトレードをしたい方に重要な指標です。
約定力が高いほど意図した価格で注文が通ります。
反対に約定力の低い業者では以下のようなケースがあります。
- 注文を出しても注文が通らない
- 注文を出した時点の価格よりも大幅にずれた価格で約定する
結果的に意図しない価格でのトレードとなり損をしやすいです。
本記事でご紹介した業者はどれも約定力に定評があるため安心です。
この他、スキャルピングに特化した海外FX業者のランキングは別記事で解説しています。
含み損許容率を示すロスカット水準
ロスカット水準とはどれぐらい含み損を耐えられるかを示す数値です。
ロスカット水準が低いほど強制ロスカット(損切り)されるまでの許容幅が広くなります。
例えばロスカット水準100%の口座の場合、口座残高が有効証拠金(取引に使える金額)と同額になると強制的に決済されます。
このように有効証拠金に対して口座残高がどれぐらいあるかを示す数値を「証拠金維持率」と呼びます。
海外FX業者に多いロスカット水準20%の場合、口座残高が有効証拠金の20%、つまり5分の1になるまでロスカットされません。
本記事でご紹介したスプレッドの狭い口座のロスカット水準は以下の通りです。
海外FX業者 | ロスカット水準 |
---|---|
ThreeTrader: Raw Zero口座 |
20% |
Tradeview: ILC口座 |
100% |
AXIORY: ナノスプレッド口座 |
20% |
TITAN FX: Zeroブレード口座 |
20% |
XM Trading: Zero口座 |
20% |
ロスカット水準が低いほど強制ロスカットされづらく、長くポジションを持つことができます。
ロスカット水準は負けにくい業者を見定める数値とも言えます。
海外FX業者をスプレッドで選ぶコツ
海外FXの取引口座をスプレッド基準で選ぶ時に、より良い業者を選ぶコツがあります。
以下4点を念頭に置いて比較することで理想通りのトレード環境を手に入れられますよ。
- 取引手数料と合計して比較する
- 変動制か固定制か確認する
- 早朝や指標発表後の数値も確認
- 業者ではなく口座単位で比較する
取引手数料と合計して比較する
繰り返しにはなりますが、スプレッド単体ではなく取引手数料との合計額を比較しましょう。
スプレッドは狭くても取引手数料が高い業者もあります。
例えば取引コストの安い上位5業者のスプレッドと取引手数料は以下の通りです。
海外FX口座 | スプレッド +往復取引手数料 |
---|---|
ThreeTrader: Raw Zero口座 |
0.1pips +0.4pips(0.4ドル) |
Tradeview: ILC口座 |
0.1pips +0.5pips(0.5ドル) |
AXIORY: ナノスプレッド口座 |
0.4pips +0.6pips(0.6ドル) |
TITAN FX: Zeroブレード口座 |
0.33pips +0.7pips(0.7ドル) |
XM Trading: Zero口座 |
0.1pips +1pips(1ドル) |
スプレッドだけでは本当に取引コストの安い業者が分からないことが理解できると思います。
変動制か固定制か確認する
海外FX業者のほとんどが変動スプレッドを採用していますが、中には固定スプレッドの業者もあります。
それぞれの違いは以下の通りです。
変動スプレッド | 固定スプレッド |
---|---|
平常時は固定よりも狭いスプレッドで取引できる 早朝や指標発表時はスプレッドが広がる |
スプレッドが変動しないため常に同じスプレッドで取引できる 変動スプレッドの平均値と比べるとスプレッドが広い |
取引が活発な平日21時~翌2時までをメインで取引する方は変動スプレッドの業者を選んだ方が有利にトレードできます。
早朝や指標発表後の数値も確認
早朝や指標発表後の高いボラティリティを利用してトレードしたい方は、同時間帯でのスプレッドも確認しておきましょう。
平常時のスプレッドが狭くても早朝(日本時間朝7時頃)には急激にスプレッドが開く場合もあります。
例)ドル円スプレッドの推移
・Tradeview:ILC口座
平常時0.41pips→早朝12.6pips
・AXIORY:ナノスプレッド口座
平常時0.4pips→早朝12.8pips
・TITAN FX:Zeroブレード口座
平常時0.33pips→早朝12.7pips
・XM TRADING:Zero口座
平常時0.1pips→早朝9.0pips
このように早朝には急激にスプレッドが広がります。
早朝のトレードは避けるか、早朝の通勤時間をメインにトレードしたい場合は比較的スプレッドの狭いXM TRADINGを使う手もあります。
業者ではなく口座単位で比較する
海外FXでは1業者あたり2,3の口座を提供している会社がほとんどです。
口座によってスプレッドや取引手数料の有無が変わります。
業者単位ではなく、どの業者のどの口座が良さそうか口座単位で比較しましょう。
スプレッドだけで選ぶならThreeTrader
海外FX業者をスプレッドを含む取引コストで選ぶならThreeTraderが1位です。
ただし2021年に新設された実績の浅い業者のため、資金の全額を入金するのは控えた方が良いです。
取引コストに加え、最大レバレッジや出金実績、人気度で選ぶならAXIORYがベストな選択となります。
この他、海外FX業者を総合的に比較して導き出した海外FXのおすすめ業者ランキングやスキャルピングに特化した海外FX業者ランキングの記事があります。
興味があればご覧ください。
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