海外FXのECN口座を利用するとSTP口座(スタンダード口座)よりも圧倒的にスキャルピングなどの短期売買で稼ぎやすくなります。
中には国内FX業者と遜色ないほどの低スプレッドや高約定力を実現している業者もあり、一度ECN口座を使ったらもう後には戻れないという声もあるほどです。
ECN口座はスプレッドが狭い分、取引のたびに取引手数料がかかる点がスタンダード口座とは異なります。
この記事では海外FXのECN口座の取引の仕組みや手数料の考え方、各業者のECN口座の違いなどECN口座に関するすべてを余すことなくお伝えしていきます!
目次
海外FXのECN口座とは?
ECN口座は海外のFX業者で扱われているFX口座のひとつです。
海外FX口座には、STP口座とECN口座の2つがあります。
一般的にスタンダードとされているのがSTP口座です。
STP口座はボーナス等の特典があり手数料がかかりません。
一方、ECN口座は手数料がかかる代わりにスプレッドが狭いのが特徴です。
手数料を加味してもコスト面で優れていることが多く、スキャルピングトレーダー等によく利用されています。
ECN口座で注文が約定する仕組み
ECNはElectric Communications Network(電子取引所)の頭文字を繋げた略称で、電子取引所を利用した取引方法を指します。
電子取引所はインターバンクとも呼ばれ、投資家、大手金融機関、ヘッジファンド等の大量の注文が集まります。
ECN口座ではトレーダーの注文はFX業者を介さず電子取引所に直接送られ、売買はシステムによって自動的にマッチングされます。
電子取引所にはトレーダーのほかFX業者、金融機関等の様々な売買注文が集まっています。
売り価格と買い価格がマッチングした時に売買が成立する仕組みです。
マッチングの方法はオークション形式※を採用しています。
可能な限り売り手と買い手の双方が得をするレートでマッチングされるため、どちらか一方が損をすることはありません。トレーダー対業者だけではなく、トレーダー同士の売買も成立します。
ECN口座での取引には、電子取引所の利用料としてFX業者に手数料を支払う必要があります。しかしスプレッドにFX業者の利益が上乗せされることがないため、スプレッドが狭いのが大きな魅力です。
※オークション形式
例:110円で買い注文に対し、111円の売り注文と109円の売り注文がある場合、109円の売り注文と自動的にマッチングされます
・買い手→110円の買い注文に対し109円で約定したので得
・売り手→109円の売り注文に対し110円で約定したので得
買値と売値の間に生じた差額の1円がスプレッドとなります
ECN口座とSTP口座の違い
ECN口座とSTP口座とでは、大きく4つの点で違いがあります。
取引の仕組みが違う
ECN口座とSTP口座の取引は以下の点で仕組みが異なります。
ECN口座:電子取引所を通して注文をマッチング
STP口座:FX業者を通して注文をマッチング
STPはStraight Through Processingの略称です。
STP口座ではトレーダーの注文はFX業者を介して電子取引所に送られます。
トレーダーの注文に対し最適なレートを提示した金融機関をFX業者がマッチングすることで売買が成立する仕組みです。
FX業者が取引に介在することで以下のようなことが考えられます。
・FX業者による注文の操作
・発生するスプレッドの違い
STP口座の注文は直接インターバンク市場に送られると言われていますが、FX業者を通す以上は操作されている可能性がないとは言い切れません。
ECN口座ではトレーダーの注文はFX業者を通さず直接電子取引所に送られ、システムが自動的に注文をマッチングさせます。
FX業者が注文に関わることがないため、公正で透明性の高い仕組みと言われています。
取引コストが違う
ECN口座とSTP口座はそれぞれ取引コストの内訳が異なります。
ECN口座:スプレッド+取引手数料
STP口座:スプレッドのみ
ECN口座はスプレッドが狭い代わりに、取引手数料が必要です。
一方STP口座は取引手数料が不要ですが、スプレッドに幅があります。
これは注文のマッチングにFX業社が介在したか否かによって決まります。
FX業者を通して注文がマッチングするSTP口座の取引では、発生するスプレッドにFX業社の利益が上乗せされます。
一方電子取引所のシステムが注文をマッチングするECN口座では、スプレッドにFX業社の利益が含まれることはありません。
FX業社の利益が浮く分、STP口座に比べ相対的にスプレッドは狭くなります。
一般的にFXの取引コストの中で最も大きく影響するのはスプレッドです。
取引頻度や取引数量にもよりますが、手数料がかかったとしてもスプレッドの狭いECN取引の方がトータルで安く済むことがほとんどです。
取引コストの計算方法が違う
STP口座では取引プラットフォーム(MT4等)に表示されるスプレッドには既にFX業者の利益が含まれているため、取引コストの計算をする手間は必要ありません。
一方ECN口座は、具体的な手数料を知りたい場合は都度計算が必要になります。
ECN口座の取引でかかるコストは、「スプレッド+取引手数料」で計算します。スプレッドの単位は「pips」ですが、手数料は「米ドル」です。
本当の取引コストが知りたい場合、手数料とスプレッドが同じ単位になるよう換算し合算するというひと手間がかかります。
ボーナス制度の有無が違う
多くの海外FX業者が定期的にボーナスキャンペーンを実施していますが、ほとんどがSTP口座を対象としておりECN口座を対象としたボーナスキャンペーンは限られます。
海外FXのECN口座のメリット
ECN口座には少なくとも4つのメリットが考えられます。
- 約定スピードが早い
- 約定拒否が起こらない
- 板情報で価格が確認できる
- 取引コストを安く抑えることもできる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
約定スピードが早い
ECN口座ではトレーダーの注文と電子取引所内の注文が即座にマッチングされるため、約定スピードが早いのが特徴です。
電子取引所にはトレーダー、金融機関、ヘッジファンド、FX業者等、様々な参加者からの膨大な売買注文が集まります。
FX業者が対応しきれない100万通貨を超える大口の取引でも、電子取引所を利用したECN取引であれば約定させることも可能です。
取引量の多い時間帯においては、大ロットの取引の約定力はSTP口座より優れていると言えるでしょう。
ただし市場の取引量が少なくなると、約定スピードが低下する点には注意が必要です。
約定拒否が起こらない
ECN口座の取引では約定拒否が起こりません。
約定拒否は、注文を出しても約定されない状態のことです。
予期せぬことで突発的にレートが乱高下する場面では、FX業者が大きな損失を避けるために約定拒否をすることがあります。
約定拒否の判断はFX業者が下すため、FX業者が注文に関わるSTP口座では取引拒否が起こるリスクがゼロではありません。
一方ECN口座では、電子取引所に送られたトレーダーの注文はシステムがマッチングするまで注文状態が続くため、約定拒否が起こらない仕組みになっています。
板情報で価格が確認できる
ECN口座の取引では、電子取引所に集まっている注文を板情報で確認できます。
板情報は、注文の価格帯や取引量がリアルタイムで表示される掲示板です。
トレーダーは流動性や市場の過熱感を確認・分析しながら注文を出すことができます。
流動性の高い時間帯に注文を出し約定力の高い取引を狙ったり、買い注文と売り注文のバランスからトレンドを予測したり、板情報を取引戦略を立てる重要な材料として役立てることも可能です。
板情報は電子取引所で直接売買がマッチングするECN口座ならではのもので、FX業社が売買をマッチングさせるSTP口座にはありません。
取引コストを安く抑えることもできる
ECN口座では、取引コストを安く抑えることができます。
ECN口座はSTP口座に比べスプレッドが狭いのが特徴です。
STP口座の取引ではFX業者が介在するためスプレッドにはFX業者の利益が上乗せされています。
一方、ECN口座は電子取引所での直接取引なのでFX業者からスプレッドを徴収されることがありません。
そのためスプレッドが狭く、取引コストを抑えられるのです。
電子取引所の利用料として手数料が発生しますが、手数料がかかってもECN口座の方がコストパフォーマンスが優れている場合が多いと言えます。
特に、スキャルピングトレーダーのように取引回数が多い人や大口で取引する人はECN口座を利用した方が取引コストを抑えることができるでしょう。
ECN口座のデメリット
メリットの反面、ECN口座にもデメリットが考えられます。
ただ、慣れてしまえばさほど気にならない側面ばかりです。
- 取引手数料が発生する
- 最低入金額や取引数量が高い
- 最大レバレッジが低い場合がある
- ボーナスキャンペーンが適用外の場合も
デメリットを把握した上で問題ないと感じる方はECN口座に向いていると言えます。
取引手数料が発生する
ECN口座での取引には手数料がかかります。
STP口座に慣れている人やECN口座が初めての人は、手数料に対し抵抗感を感じるかもしれません。
しかしECN口座での取引はスプレッドが狭く、手数料を加味してもSTP口座より取引コストが安くなるケースがほとんどです。
ただし条件次第では、ECN口座の方がコストが高くなる場合もあるので注意が必要です。
FX業者によっては、ECN口座とSTP口座のスプレッドの差が小さいペアもあります。
その場合、手数料がネックとなりECN口座の取引コストの方が高くつくこともあります。
取引する通貨ペアが決まったら、事前にECN口座とSTP口座のスプレッドを確認し比較しておくと失敗を避けられるでしょう。
最低入金額や取引数量が高い
ECN口座はSTP口座に比べ、最低入金額や最低取引通貨単位が高い傾向があります。
TradeviewではECN口座の最低入金額、取引通貨単位ともSTP口座の10倍に設定されており、STP口座に比べ大きな規模の取引に適していることがわかります。
こうした設定の違いから、ECN口座は上級者向けの取引口座と言われています。
小ロットの取引を希望する人や取引頻度が高くない人は、STP口座の方が適しているでしょう。
最大レバレッジが低い場合がある
ECN口座の最大レバレッジはSTP口座に比べ低い傾向があります。
FX業者によって異なりますが、XM、Tradeview、LANDFXの3社ではSTP口座よりECN口座の方が最大レバレッジが低く設定されています。
レバレッジを制限する理由として一般的に考えられるのは、ハイレバレッジでの大損からトレーダーを守る、資金管理を徹底させるといった「トレーダーの保護」です。
しかし「トレーダーを退場させない」という意図もあると考えられます。
FX業社がECN取引で得られる利益は手数料のみで、スプレッドによる利益はありません。
トレーダーにはできる限り長期間たくさん取引を重ねてもらうために、レバレッジを制限して退場に至らないよう配慮していると考えることもできます。
STP口座では最大レバレッジ1,000倍を超える海外FX業者も存在しますが、ECN口座の最大レバレッジは200倍〜500倍が一般的です。
低いレバレッジで地道に利益を積み重ねる人には充分な水準と思われますが、高いレバレッジで大きなリターンを求める人はECN口座に物足りなさを感じるかもしれません。
ボーナスキャンペーンが適用外の場合も
ECN口座ではボーナスキャンペーンの適用外となる場合があります。
海外FX業者の中には、季節やイベントに合わせて豪華なキャンペーンを開催している業者を多く見かけます。
しかしほとんどの場合、ECN口座ではキャンペーンが適用されません。
様々なボーナスキャンペーンを展開しているXMでも、STP口座では3種類のキャンペーンが適用されるのに対し、ECN口座で適用されるのは未入金ボーナス1種類のみです。
一般的にECN口座はSTP口座より適用されるキャンペーンが少ないため、ボーナスをもらえるSTP口座の方がお得にトレードが楽しめます。
海外FXでおすすめのECN口座
最後に、海外FXのECN口座でおすすめの業者を4つご紹介します。
どれもスキャルピングトレーダーから評判で人気の高い口座です。
比較項目 | Tradeview (ILC口座) |
TITAN FX (Zeroブレード口座) |
AXIORY (ナノスプレッド口座) |
XM Trading (Zero口座) |
---|---|---|---|---|
実質スプレッド (ドル円) |
0.6pips (0.1+0.5) |
1.03pips (0.33+0.7) |
1.0pips (0.4+0.6) |
1.1pips (0.1+1.0) |
初回入金額 | 10万円 | 2万円 | 2万円 | 1万円 |
約定力 | 業界トップレベル | 業界トップレベル | 業界トップレベル | 業界トップレベル |
データセンター | EQUINIX社 ロンドン/NY |
EQUINIX他世界数か所 | EQUINIX | ロンドン |
取引方式 | ECN方式 | ECN方式 | ECN方式 | ECN方式 |
最大レバレッジ | 200倍 | 500倍 | 400倍 | 500倍 |
ロスカット水準 | 100% | 20% | 20% | 20% |
ストップレベル | 0pt (制限なし) |
0pt (制限なし) |
0pt (制限なし) |
0pt (制限なし) |
ゼロカット | あり | あり | あり | あり |
※右→にスライドできます。
※コスト=スプレッド+1ロットあたりの取引手数料
Tradeview ILC口座
取引コストの安さで選ぶなら、Tradeview(トレードビュー)のILC口座がおすすめです。
Tradeviewは取引コストの安さに強みを持つ海外FX業社です。スプレッドは業界最狭を誇り、2004年の創業以来、一度も出金トラブルを起こしたことのない優良ブローカーとして知られています。
Tradeviewの取引手数料は往復5米ドル、スプレッドはドル円平均で0.1pipsです。
手数料が他社に比べ安く、スプレッドは国内FX業者の取引コストと同水準の狭さです。
海外FX業社のスプレッドは国内業者より広いケースが多いので、Tradeviewのスプレッドの狭さはコストにこだわる人にとって大きな魅力となるでしょう。
ただしTradeviewのILC口座は海外FX業社の中でも中〜上級者向けの設定になっています。
最低入金額が1,000米ドル、最低取引量が10,000通貨と比較的大口の取引に適しているため、初心者にはハードルが高いかもしれません。
レバレッジは大口になるほど倍率が低くなる傾向があるため最大レバレッジは200倍と他社より低く、追証※はありません。
またロスカット水準が100%と損失リスクは高めです。
しかしながらコスト面でのメリットは大きいので、取引頻度が高い人や資金がある人は利用を検討してみると良いでしょう。
※追証
追加証拠金の略です。FXは証拠金取引のひとつで、資金を担保(証拠金)として為替の取引を行います。取引に必要な証拠金が不足した場合、証拠金維持率を保つために追加で請求されるのが追加証拠金(追証)です。
TitanFX ブレード口座
TitanFX(タイタンFX)のZEROブレード口座は、取引コストやレバレッジ等のバランスが優れています。
TitanFXは2014年に創業した比較的新しい海外FX業社です。
TitanFXはのスプレッドの狭さと最新テクノロジーはトレーダーたちからも一目置かれています。
自社で開発したZero Point テクノロジーが「ゼロ」pipsに近いスプレッドとレイテンシ(取引遅延)を実現し、低スプレッドと超高速の約定スピードに貢献します。
ZEROブレード口座の取引手数料は往復で7米ドル、スプレッドはドル円平均で0.33pipsです。
最低入金額が200米ドル、最低取引量が1,000通貨、日本語サポートも充実しているため低コストで使いやすく、安心感の高い口座と言えます。
追証なし、ロスカット水準20%と顧客保護の観点を保ちつつ、レバレッジは最大500倍と比較的高水準です。
割安感と安心感がありながら、高いレバレッジ取引にも挑戦できるバランスがZEROブレード口座の特徴と言えるでしょう。
約定スピードも優れているので、ハイレバレッジでのスキャルピングトレードで効率よく資金を増やしたい人におすすめの口座です。
AXIORY ナノスプレッド口座
AXIORY(アキシオリー)のナノスプレッド口座の魅力は高い約定率です。
公式ウェブサイトで「約定率99.99%」を謳う等、自社の約定力への自信が伺えます。
AXIORYはECN口座の取引を得意とする海外FX業社です。
AXIORYではECN口座専用に開発された取引プラットフォーム「cTrader」を提供しています。
cTraderは板情報や複数ポジションの同時決済等の短期売買やスキャルピングに役立つ機能を搭載しており、MT4やMT5より約定スピードが速い点が喜ばれています。
透明性の高い取引をモットーとしており、金融機関の国際品評会で数々の賞を獲得してきました。
ナノスプレッド口座の取引手数料は往復6米ドル、スプレッドはドル円平均で0.5pipsです。
AXIORYは手数料もスプレッドも申し分ない狭さと言えるでしょう。
最低入金額が200米ドル、最低取引量が1,000通貨と使いやすい設定になっています。
破綻した時に顧客資金を全額補償する「信託保全」、追証なし、ロスカット水準20%以下と顧客のリスクケアに努めているのも安心して利用できるポイントです。
手厚い日本語サポートは海外FXに慣れていない人にとって心強いサービスです。
cTraderを活用したい人、安全性の高さを重視する人には、AXIORYのナノスプレッド口座がおすすめです。
XM ゼロ口座
XM(エックスエム)のゼロ口座は、口座を開設するだけで3,000円分のボーナスを受け取れます。
ボーナスキャンペーンの少ないECN口座ですが、XMのゼロ口座では「3000円新規口座開設ボーナス(未入金ボーナス)」が適用されます。
ボーナスを利用すれば、自己資金を入金しなくてもECN口座の取引をリアル体験することが可能です。
XMは世界的に有名な海外FX業社です。
世界最難関と言われる英国FCAの金融ライセンスを保有する信頼性の高いFX業者で、多くの日本人トレーダーが利用しています。
ゼロ口座の取引手数料は往復10米ドル、スプレッドはドル円平均で0.1pipsです。
取引手数料の高さがネックとなりそうですが、最低入金額が5米ドル、最低取引数量1,000通貨、ロスカット水準20%と初心者でも挑戦しやすい設定になっています。
またXMのボーナスを利用すれば入金額ゼロでもECN口座の取引を始められるため、「興味がある」「試してみたい」という人はXMのゼロ口座から始めてみると良いでしょう。
最大レバレッジは500倍とECN口座としては高めの設定で、レバレッジ取引を楽しみたい人もカバーできる水準です。
※最低入金額は2021年8月に100米ドルから5米ドルに引き下げられました
本サイトで提供する情報には細心の注意を払っておりますが、情報の正確性その他一切を保証するものではありません。あくまでも情報提供を目的としており特定のFX会社に勧誘をするものではなく、本ページのいかなる情報により生じた損失に対しても当社は責任を負いません。また、当サイトは日本居住者を対象としたものではありません。
※利用規約を厳守の上、ご投稿ください。