海外FXのスキャルピングや自動売買で稼いでいるトレーダーほどスプレッドや取引コストよりも「約定力」を重視しています。
どれだけスプレッドが狭くても狙った価格で約定せずスリッページや約定拒否(リクオート)が頻発していたら思い通りのトレードがしづらいからです。
ただ、各FX業者のホームページで公表されている数値を見ても測定条件が異なり比較がしづらいもの…。
そこでこの記事では海外FXの約定力に定評のある業者の約定スピードや約定率を比較してランキングを作成したのでさっそく見ていきましょう!
目次
FXの約定力とは
約定力とは、トレーダーの注文をより正確に約定させる能力のことです。
FXにおける約定とは売り・買い注文、利益確定、損切り等、すべての注文を含む売買注文が成立することを指します。
約定力が高いほど注文通りに売買が成立する可能性が高く、約定力が低いほど思い通りの売買が成立しにくくなります。
数日又は数週間かけて売買をするスイングトレードでは約定力はそれほど大きな問題ではありませんが、スキャルピング等の短期トレードでは約定力がトレード成績に致命的な影響を与えることがあります。
スキャルピングでは絶えず変動する価格レートをミリ秒単位で見極め、タイムリーに注文を出します。
もし約定力の低い業者であれば、トレーダーの判断が正しくても意図した注文が通らず利益を取り逃すこともあり得るでしょう。
勝ち続けるためには、ピンポイントで出した注文をきちんと反映できる約定力が必要不可欠です。
約定力は約定率、約定スピード、取引インフラの3つの要素から良し悪しを判断します。
3要素すべてが揃っているほど、約定力の優れたFX業者であると言えるでしょう。
取引方式の違いによって約定力にも違いが現れます。
FXの取引方式にはDD方式とNDD方式があります。
DD方式はFX業者のディーラーがトレーダーの注文と最適な価格レートを約定させる仕組みです。
トレーダーの出した注文は一旦FX業者が吸収する流れのため、スリッページ※が起きにくいとされています。
ただしFX業者の損失となる売買注文の場合、取引拒否や価格再提示となる可能性があります。
※スリッページ
注文価格と約定価格にずれが生じること
NDD方式は、トレーダーの注文は様々な注文情報が集まる電子取引所にダイレクトに届けられ、システムが自動的に最適な価格レートとマッチングさせる仕組みです。
FX業者が取引に介入しないため取引拒否や価格再提示が起きません。
ただし取引量が少ない(流動性が低い)時間帯や相場が急変動する場面ではスリッページが発生することがあります。
約定力は様々な要素によって決められ、個々の条件によってメリットとデメリットが発生します。
約定力は取引の正確性を問う要素であり、FX業者を選ぶ上ではスプレッドの狭さとともに非常に重要なポイントです。
自分のトレードスタイルや要素等様々な角度から判断した上で、最適なFX業者を選択する必要があります。
約定力が高い海外FX業者を使うメリット
約定力が高い業者を使うことで大きく以下の3つのメリットを得られます。
- ストレスなく取引できる
- スキャルピングとの相性が良い
- 大ロットの取引でも安心
特にスキャルピングトレーダーや大きな資金を運用したい方にとって約定力は重要性が高いです。
ストレスなく取引できる
約定力の高い海外FX業者を使えば、ストレスのない思い通りの取引が実現できます。
クリックしてすぐに約定できたり、指定価格に到達したら約定する指値や逆指値も当たり前のように成立できる快適な取引環境は、高い約定力があって実現します。
約定まで時間がかかったり、スリッページや約定拒否が頻発するFX業者では、安心して取引を続けることは難しいでしょう。
ストレスのない安定した取引をするためにも、約定力の高い業者を選ぶことが大切です。
スキャルピングとの相性が良い
高い約定力はスキャルピングトレードの成功に貢献します。
スキャルピングトレードとは、数秒や数分程度の短時間に何度も取引を重ねて細かい利益を積み重ねていくトレードスタイルです。
極端に短い時間にピンポイントで売買注文を出すため、トレーダーの瞬発力に応える高い約定力が取引成功に不可欠な要素になります。
一部の海外FX業者では、スキャルピングに適したECN口座を提供しています。
ECN口座はスタンダード口座よりも約定力が高く、スプレッドが狭いのが特徴です。
本格的にスキャルピングトレードに取り組みたい人は、Titan FXのブレード口座やXMTradingのゼロ口座など、ECN口座を検討してみると良いでしょう。
大ロットの取引でも安心
約定力の高いFX業者であれば、大ロットでも安心して取引できます。
取引ロットが大きくなるほど失敗した時の損失も大きくなるため、大ロットでも狙った価格で約定できる能力はトレーダーがFX業者に強く求めたい要素と言えるでしょう。
高い約定力を誇るFX業者は、トレーダーに最適なレートを提供するために幅広いリクイディティプロバイダーと良好な取引環境を構築するための企業努力を続けています。
こうした観点から、約定力はFX業者の信用度を判断する指標のひとつになり得ます。
約定力を含め信用の置けるFX業者を利用することが、安心して取引を続けるために必要なことです。
Titan FXはリクイディティプロバイダーの強固なネットワークを構築しており、トレーダーに安定した取引環境を提供しています。
※リクイディティプロバイダー
FX業者が取引プラットフォーム(MT4、MT5等)で配信する為替レートの配信元である金融機関のこと
約定力が低い業者を使うと想定されること
反対に約定力が低い業者を選んでしまった場合にどんな弊害があるのか知っておきましょう。
- 約定スピードが遅い
- スリッページが多い
- リクオートや約定拒否が多い
スキャルピングなどの短期売買をメインにしたい方には致命的です。
約定スピードが遅い
約定スピードが遅いと、思った通りの取引ができず不利益が発生する可能性があります。
約定スピードが遅いと値動き・注文・約定のタイミングにずれが生じ、一連の動作が噛み合わなくなります。
狙ったレートで約定できずに利益を取り逃がす、ベストな決済タイミングを逃して含み益が減る、損切り時には不利なレートで約定する等良いことはありません。
約定スピードが遅い原因は、トレーダー側の通信環境やパソコン等取引に利用している機器のスペックが不十分である場合もあれば、FX業者側の約定力に問題がある場合もあります。
スリッページが多い
約定力が低いとスリッページが多くなります。
約定スピードが遅いと注文から約定までのタイムラグが発生し、スリッページを起こしやすくなります。
希望した価格で約定せずにその前後の価格で約定するため、利益が小さくなったり思わぬ損失が出たりする可能性があり、トレード成績に支障を与えかねません。
スリッページは市場の取引量が少ない(流動性が低い)時間帯や、ボラティリティが高い時に起こりやすいと言われています。
つまりトレーダーの注文に応じる相手がいない、相場が乱高下する場面では注意が必要ということです。
リクオートや約定拒否が多い
約定力が低いと「リクオート」や「取引拒否」が発生しやすくなります。リクオートは価格再提示のことです。
トレーダーが出した注文価格がFX業者にとって損失になる場合、FX業者はトレーダーの意図とは関係なく注文を拒否し、価格を再提示してきます。
リクオートに対しトレーダーはFX業者の再提示価格で約定するかしないかを選択できますが、いずれにしても希望価格での約定はできません。
約定し取引を継続するか、約定せず一旦引き下がるかを悩んでいる間も相場は動き続けており、場合によっては利益を取り損ねたり、損失を拡大させたりすることもあります。
約定拒否とは、注文を出しても約定されない状態のことです。
リクオートと似た言葉で「オフクオート」と言います。相場が激しく動くボラティリティの高い場面では、FX業者がリスクを避けるために約定拒否をすることがあります。
この場合注文した価格で約定できない上、価格の再提示もありません。
新規の注文が通らず機会損失となったり、相場の急変時に損切りができずに損失が拡大したり、損失額が大きい場合にはロスカットされる可能性もあります。
特に細かい値幅を争うスキャルピングトレードにおいて、オフクオートの発生は非常にネガティブな事象です。
海外FX業者を約定力で選ぶ際のポイント
一口に「約定力」と言っても約定力を構成する要素は6つあります。
どれか1つだけでなく総合的に比較することが大切です。
- 約定率
- 約定方式
- 約定スピード
- 取引インフラ
- カバー先の金融機関やサーバーとの物理的距離
- スリッページの許容設定
とはいえ、1つ1つ比較していくのは一苦労なので次の章では総合的に比較した時に約定力が高いおすすめ業者ランキングも掲載しています。
約定率
約定率の高いFX業者ほど、約定力が高いと判断することができます。
約定率とは、トレーダーの注文が「約定拒否」や「価格再提示」にならずに約定する割合です。
約定率90%であれば、注文を100回出した場合に90回は約定、10回は約定拒否や価格再提示になることを意味します。
約定率はFX業者の約定力を判断するわかりやすい指標であり、国内外問わず多くのFX業者が公表している数字でもあります。
約定率が高いほど約定力が優れていると言うことができるため、FX業者を選ぶ際の参考にすると良いでしょう。
約定方式
約定率の高さには、約定方式が関わっています。
約定方式にはDD方式とNDD方式の2つがありますが、約定拒否や価格再提示が起こりにくいのはNDD ECN方式です。
NDDはNone Dealing Desk(ノン・ディーリングデスク)の略称で、FX業者を介さずに約定する方式を言います。
NDD ECN方式は、トレーダーの注文は様々な市場参加者の注文情報が集まる電子取引所に直接届けられ、システムが自動的に最適な注文をマッチングして約定させる仕組みです。
電子取引所にはFX業者のほか大手金融機関や機関投資家等も参加しています。
大口注文を出す金融機関がトレーダーの取引相手になる上、FX業者が取引に介在しないため、基本的に約定拒否や価格再提示が起こりません。
またNDD ECN方式では、FX業社の収益源は電子取引所への仲介手数料となるため、FX業社の利益が上乗せされない分スプレッドも狭くなります。
ただし、流動性が低下したりボラティリティが高くなると約定しにくくなるのが弱点です。
クリスマスや年末年始等のバケーション期間中は市場の流動性が下がるため、注意しましょう。
一方で約定方式としてNDD STP方式を採用しているFX業者は、スリッページを起こしにくい傾向があります。
NDD STP方式の中でもInstant Execution(即時約定)を採用している場合、スリッページはより起こりにくくなります。
NDD STP方式は、FX業者のシステムが自動で取引をマッチングし約定させる仕組みです。
トレーダーの注文に対して最も条件の良い価格レートをシステムが自動で選択し、その価格にFX業者の利益を乗せてトレーダーに提示します。
一連の流れはシステムが執行しておりFX業者のディーラーが取引に介入することがないので、高い約定力が期待できます。
Instant Execution(即時約定)はNDD STP方式における注文処理方法の一種です。
トレーダーの注文をFX業者が取引相手となって一旦決済し、その後必要に応じてカバー取引を行います。
「即時約定」の通り、FX業者はトレーダーの注文を即時に決済するためスリッページが発生しないのです。
ただし相場が急変する場面において、即時約定によりFX業者が損失を被る場合等は約定拒否が起こる可能性があります。
約定スピード
約定スピードは、約定率と同様に約定力を左右する重要な要素です。
約定スピードが早ければ、注文から約定までのタイムラグが少ないため狙ったレート通りの売買を成立させやすくなります。
しかし約定スピードが遅いと、注文価格と約定価格にずれが生じるスリッページが起きやすくなります。
約定率が優れていても、約定スピードが遅くスリッページが頻発するようなら約定力が高いと言うことはできません。
例えば「約定率99%、スリッページ発生率20%」というFX業者では、「100回の注文のうち99回が約定、99回のうち20%は意図しない価格レートで約定される」ことを意味します。
スリッページが発生すると正確に注文が通らないため、場合によっては損失が大きく、利益が小さくなることもあります。約定スピードの判断にはスリッページ率を参考にすると良いでしょう。
特にニューヨークタイムでスキャルピングトレードをする人は、約定スピードを重視することをおすすめします。
1日の中で最も相場が活発になるニューヨーク市場が開く時間帯では、約定スピードの遅いFX業者ではスリッページが起こるリスクが高くなります。
約定スピードがトレード成績に直接影響するため、しっかり見極めましょう。
取引インフラ
取引インフラは優れた約定率、約定スピードを実現する大切な要素であり、トラブルなくトレードをする上でも欠かせません。
取引インフラは、FX業者が利用するサーバーのスペックや設置場所といった取引のための通信環境を指します。
FXの取引は注文から約定、ポジションの反映まで一連の流れはすべてインターネットを通して行われます。
取引インフラが整っていなければ、注文の遅延や提示価格の遅延、注文の集中する時間帯においてはサーバーのパンクが発生する可能性もあります。
取引インフラの良し悪しの基準として、EQUINIX(エクイニクス)社のサーバーを利用しているかを確認しましょう。
EQUINIX社は世界24ヵ国、約200箇所にデータセンターを保有する最大手のインフラ管理会社です。
優れた通信インフラを提供する企業として信頼が厚く、世界中の金融機関やAmazon、Google等のグローバル企業も利用しています。
EQUINIX社のサーバーを採用していることを公表しているFX業者は、取引インフラの観点でプラス評価と言えるでしょう。
カバー先の金融機関やサーバーとの物理的距離
取引インフラは提携するデータセンターのほか、カバー先金融機関、リクイディティプロバイダーとFX業者のサーバーの位置関係も影響します。
カバー先金融機関とは、FX業者に対してトレーダーの売買注文に応じる価格レートを提案する金融機関や証券会社です。
FX業者のカバー先金融機関がローカルだったり取引先が少なかったりすると、大ロットの取引ができない、約定率や約定スピードが劣るといった問題が発生します。
またFX業者とリクイディティプロバイダーのサーバーが近いほど接続速度が早くなるため、注文や提示価格の遅延等は起こりにくくなります。
FX業者のWebサイト上で見かける「ニューヨークのデータセンターにサーバーを設置」「ロンドンのデータセンターにサーバーを設置」といった文言は、「リクイディティプロバイダーのデータセンターの近くにサーバーを設けているので約定スピードが早い」ことをアピールしているのです。
実際に両者のデータセンターの距離を知る術はありませんが、ニューヨークやロンドン等大手の金融機関が拠点を置く経済都市であれば隣接している可能性は高いと言えるでしょう。
海外FX業者の中には、アジア圏にデータセンターや中継地点を設けたり低レイテンシ(低遅延)のVPSを採用したりしています。
スリッページの許容設定
約定スピード自体はFX業者の提供サービスに左右されますが、取引ツールの設定でスリッページ対策をすることは可能です。
MetaTrader(MT4)・MetaTrader5(MT5)の場合、オプションからスリッページ許容設定ができ、スリッページが発生した時には価格再提示となります。
またスリッページの許容範囲を狭めれば、注文価格と約定価格のずれを改善することが可能です。
ただし約定スピードは変わらないので、狙ったタイミングで約定することができない点は同じです。
約定力が高いおすすめ海外FX業者
海外FXで約定力に定評がある業者を5つランキング形式でご紹介します。
- AXIORY
- TitanFX
- XM Trading
- GEMFOREX
- LAND-FX
AXIORY
AXIORYの約定率は99.9%、2016年9月から2017年8月までの最短約定スピードは0.139秒、平均0.202秒で注文を執行する海外FXトップクラスの約定力を有します。
AXIORYの約定力を支えるのはEQUINIX社のサーバーです。
約定実績の詳細データを公式サイトで公開していることからも、約定力に対する自信と企業としての透明性の高さが伺えます。
AXIORYは約定力が高く平均スプレッドが狭い上、最大1,000ロット、NDD ECN方式専用取引ツール「cTrader」も使える等、スキャルピングトレードに有利な条件が揃います。
ただし最大レバレッジが400倍と低めのため、物足りなさを感じるかも知れません。
TitanFX
TitanFXは独自の「Zero Pointテクノロジー」で実現する、機関投資家並みの優れたトレード環境が強みのFX業社です。
TitanFXの取引インフラは、約定力を求める多くのトレーダーから支持されています。
EQUINIX社のサーバーを利用し世界中に複数のデータセンターを配備、海外FX業者では珍しくアジア向けに東京サーバーを設ける等、安定した接続環境の提供に力を入れています。
HSBCやJPモルガン等の大手を含む50社以上の金融機関と提携しており高い流動性を確保できるため、TitanFXは低スプレッドとリクオート無しを実現しています。
TitanFXスプレッド一覧と手数料 口座タイプ別に競合比較
XM Trading
XMは約定率100%、リクオート無しという高い約定率を誇る業界最大手のFX業社です。
注文のうち99.35%を1秒未満で執行する約定スピードも備えており、約定力には安定感があります。
XMが約定率100%を実現できるのは、トレーダーの注文をFX業社が即時約定するNDD STP方式を全口座タイプで採用しているからです。
高い約定力のほか、最大レバレッジ1,000倍や最大50ロットという好条件を提供しているのがXMの魅力です。
XMはスプレッドが比較的広めのためスキャルピングトレードには不向きかもしれませんが、約定力を含めた取引環境としては申し分ないでしょう。
GEMFOREX
GEMFOREXは平均0.78秒以内に99.99%の約定率を備え、ほぼ全ての注文を約定する高い約定力が強みのFX業社です。
公式サイトでは「リクオートと約定拒否の追放宣言」や「隠れMarkup一切なし!」を公言しており、透明性の高いトレード環境の提供に努めています。
GEMFOREXは高い約定力と信用できる取引環境に加え、国内FX並みの低スプレッドと最大レバレッジ1,000倍という好条件は、スキャルピングトレーダーにとって大きな魅力です。
GEMFOREXのスプレッド一覧と競合比較 業界トップクラスの狭さ
LAND-FX
LAND-FXは、最短0.035秒という驚異的な約定速度を誇るのが特徴です。
LAND-FXはサーバー等の取引インフラの整備に力を入れています。
EQUINIX社をはじめとする多くのIT企業との提携により遅延が少ない高速取引環境を提供しており、約定力も高いと評判です。
安定したサーバー運用を重視しているため、ネットワークに負荷がかかるような取引を禁止しているのが惜しい点ではありますが、スキャルピングトレードは問題なく楽しめます。
約定力に関する注意点
最後に、約定力を基準に海外FX業者を選ぶ際の注意点を5つ見ていきましょう。
- 約定スピードとスリッページ率は別物
- 約定率とは約定確率のこと
- 通貨ペアや銘柄によって約定力は異なる
- 取引タイミングによって約定力は異なる
- FX業者によって約定力は異なる
ここまで押さえておけば海外FXの約定力についてはマスターしたも同然です。
約定スピードとスリッページ率は別物
約定スピードとスリッページは、似ているようで同じではありません。
両者は注文を出してから約定されるまでに発生する「ずれ」を測定する点では同じですが、約定スピードは時間を計測するのに対しスリッページは値幅を測定するもので、測定する対象と単位が異なります。
約定スピードの単位は「ミリ秒(ms)」で、100msは0.1秒を表します。
FXの注文はほとんど1秒以内に約定できるため、約定スピードは1,000分の1秒単位で計測されます。
一方スリッページは時間ではなく値幅を測定するため、使用される単位は「pips」です。
注文した価格で約定した場合は0pips、つまりスリッページが発生していない状態を表します。
スリッページ率は、±0.1pips以内に約定できた確率、以降は±0.2pips以内に約定できた確率という形でpipsごとに約定した確率を測定したものです。
約定スピードが遅くなるほどスリッページが発生しやすくなるため両者は密接な関係ではありますが、測定対象の異なる別のものになります。
約定率とは約定確率のこと
約定率は、約定できる確率のことです。
約定率は基本的に、全注文から約定できなかった注文の割合を差し引いて算出されます。
そのため約定率にはリクオート(価格再提示)や約定拒否の発生率が大きく関わります。
通貨ペアや銘柄によって約定力は異なる
メジャーな通貨ペアは約定力が高く、マイナーな通貨ペアは約定力が低い傾向があります。
これは取引量に起因するものです。
取引量が多いほど流動性が高いため約定力は高くスプレッドも狭くなりますが、取引量が少ないと約定力が落ちたりスプレッドが広くなる場合があります。
海外FXでは幅広い通貨ペアが用意されていますが、取引量によって大きく3種類に分けることができます。
取引量の多いメジャー通貨ペア、取引量の少ないマイナー通貨ペア、取引量が極めて少ないエキゾチック通貨ペアです。
マイナー通貨ペアやエキゾチック通貨ペアで取引をする場合は、上記のようなリスクがあることを覚えておきましょう。
取引タイミングによって約定力は異なる
約定力は取引タイミングの影響を大きく受けます。
FXの主要マーケットであるニューヨーク市場とロンドン市場が開く21時〜2時頃の時間帯は、取引量が増える(流動性が高くなる)ため約定力が高まります。
逆にニューヨーク市場が閉場し、東京市場も開いていない早朝の時間帯は取引量が減る(流動性が下がる)ため約定力が下がります。
海外FX各社がロールオーバー(ポジションを翌日に持ち越すこと)の処理をする時間帯も約定力の低下が懸念されます。
ロールオーバーの処理のため、サーバー時間の日付が変わる数分間は取引できない状態となることが多々あるからです。
また重要な指標発表や政治イベント、要人発言等で相場が急変しボラティリティが高まると、約定力は低下しスリッページが発生しやすくなる傾向があります。
FX業者によって約定力は異なる
FX業者によって約定力が異なるのは、各社が使用しているサーバーの処理能力が大きく関わっていると言われています。
つまり取引インフラの状況に左右されやすいということです。
約定力はサーバーの他にも、採用する取引方式や流動性等様々な要因で差が出ます。
NDD方式を採用している海外FX業者の約定力は、概ね安定していると言われています。
また相場が安定していて流動性が高ければ、ほとんどのFX業者は問題なく高い約定力を実現できるでしょう。
しかし取引ロット数が大きくなっても高い約定力を維持できるかどうかは、FX業者の能力が試されるところです。
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