出来高急増と株の値動きには関連性があります。
大きく値動きした銘柄のチャートを見てみると、いつも出来高のグラフが跳ね上がっていることに気が付きませんか?
この記事では、チャート事例を3つ用いて「出来高を活用して株価がどう動くのかを予測する方法」を解説します。
目次
出来高急増の要因
出来高急増の要因は
- ニュースや業績発表、決算などの材料
- チャートパターンなどの売買シグナル
などです。
出来高の急増に伴って株価が急騰・急落することが多いため、いち早く変化に気づき初動を押さえることが出来れば大きく利益を得ることが出来ます。
しかしチャートの状況によって出来高急増した後の株価が上昇するのか下落するのかの予測が変わるため、柔軟に分析する必要もあります。
出来高急増は相場転換のサイン
出来高急増は相場転換のサインと言われています。
まずは安値圏と高値圏それぞれの位置で起こる出来高急増から読み取れるシグナルを解説します。
安値圏(低位株)の出来高急増は株価上昇サイン
安値圏での出来高急増は株価上昇の初動である可能性が高いです。
安値圏だけでなく、市場全体の水準よりも安い「低位株(ボロ株)」においても出来高急増は株価上昇のサインと読み取ることが出来ます。
安値圏や低位株で出来高が急増するということは、何らかの好材料によって注目が集まり、買い注文が殺到している可能性が考えられるからです。
※材料の強さによってはストップ高でも翌日は下落の可能性もあるので注意が必要です。
例えば、「燦キャピタルマネージメント(2134)」のチャートでは、2019年10月1日の出来高急増後、株価が急騰しています。
前日9月30日に香港のiMeエンターテインメント・グループ・アジアとファイナンス・パートナシップに関する覚書を締結したと発表したことが材料となり、買い注文が集まったことが要因です。
その後、ゆるやかに上昇を続け、50円から132円まで続伸しました。
ただし、出来高急増が株価上昇のサインになるのはあくまで株価が安値圏にあるとき。
高値圏における出来高急増はまた違った意味を持ちます。
高値圏の出来高急増は株価下落サイン
高値圏にある銘柄の出来高急増からは、「株価が天井に近く、今後株価が急落する可能性が高い」ということが読み取れます。
高値圏での出来高急増は利益確定や空売りによる売り注文が増えたことが原因となる場合が多く、その結果売り圧力が強くなって株価が下落していくからです。
例えば、こちらの「前田建設工業(1824)」のチャートでは、2019年11月13日に出来高が急増したあとに下落相場に入っています。
下落に転じた1つの理由として、11月13日は決算発表の当日であり、決算の内容によって売りの勢力が強まったと読み取ることが出来ます。
高値圏で出来高急増している場合は下落サインである可能性が高いため注意しましょう。
ただし株価下落前の高値は株価急騰のチャートパターン「カップウィズハンドル」を形成するための高値抵抗線の基準になるかもしれません。
最近では特に注目度の高いチャートパターンで、ブレイク付近の銘柄は多くの投資家に意識されます。
出来高急増時の上髭付き陰線は下落合図
出来高の急増はローソク足と合わせて分析することでさらに値動きを予測しやすくなります。
出来高が急増したときに長い上髭を伸ばしている場合は、「株価が頭打ちになる可能性」を読みとれます。
ローソク足における長い上髭というのは、一般的に株価反落のサインとされているからです。
(詳しくは「ローソク足の見方」を参考にしてください。)
この長い上髭に出来高の急増という要素が加わることでさらに力強い下落サインとして捉えることが出来ます。
例えば「イグニス(3689)」のチャートでは、2019年11月14日の長い上髭と出来高急増の後に株価が下落しています。
連結子会社が運営するスマホアプリなどの事業譲渡が材料となったと見られます。
寄付き時には前日終値から大きく上昇して値を付けたにも関わらず大引け時には反落、大きく値を下げました。
今回は上髭に加えて長い陰線であることから、さらに売りの勢力が強いことが読み取れます。
出来高急増時に長い上髭が出現した場合、
①保有銘柄なら利確を検討します。
②買い検討中の銘柄なら出来高が落ち着くまで様子を見ます。
また、下落局面で儲かる空売りという選択肢も考えられます。
出来高が多いのに株価が上がらない訳
ここまで読んでいただけた方には分かると思いますが、「出来高が多いのに株価が上がらない」という状況もあり得ます。
あくまで株価の位置(高値圏・安値圏)やローソク足の状態、そして要因となる材料によって出来高の急増が持つ意味合いが変わってくるからです。
「ベガコーポ(3542)」のチャートでは出来高急増にも関わらず株価は上がっていませんよね。
出来高の増減だけでなく、その時のチャートの状況を合わせて分析することが大切です。
出来高急増ランキングが見れる人気サイト3選
自分の持っている銘柄だけじゃなくて出来高急増銘柄を狙った投資をしたいという方向けに「出来高急増ランキング」が見れるサイトを3つまとめました。
ここでは、それぞれのサイトの特徴を比較します。
株探-出来高急増銘柄
株探の出来高急増銘柄では、市場ごと、時価総額ごとに出来高が急増している銘柄のランキングを見ることが出来ます。
- 株価前日比
- 出来高
- 出来高
- 前日比率
- PER
- PBR
- 利回り
ランキングを上記の項目ごとに並べ替えることも可能です。
ただし、当日のデータしか確認できないのがネックポイントです。
Yahoo!ファイナンス-出来高増加率
Yahoo!ファイナンスの出来高増加率では、市場ごとに出来高増加率を確認することが出来るとともに、5日平均出来高数と10日平均出来高数のランキングも確認可能です。
単純に出来高が何倍に増えたのかをもとにランキング付けされています。
株ドラゴン-出来高急増 初動 銘柄 ランキング
株ドラゴンの出来高急増 初動 銘柄 ランキングでは、5日間の平均出来高と比較したときのパーセンテージをもとにランキング付けしています。
出来高が増えたことによってどう値動きしたのかが分かるように、当日の高値と安値も確認することが出来ます。
ストップ高、ストップ安も一目で分かるように表示されるため、比較的使いやすいページです。
また、過去の日付のランキングも確認できるところもおすすめのポイントです。
出来高急増銘柄の見つけ方
出来高急増銘柄を見つけることが出来れば相場の転換点で初動を抑えることが出来るため、投資利益を狙いやすくなります。
出来高は主に
- 決算発表後
- 会社による重要事実の公表後
- ニュース報道後
に急増しやすくなっています。
該当銘柄に関して何かしらの材料を掴んだら、出来高が急増しないか確認しましょう。
出来高が急増したら大きく値が動く合図です。
この記事で解説してきたように、高値圏なのか、安値圏なのか、ローソク足はどうなっているのかを見て今後の株価がどう動くのかを分析しましょう。
株では出来高の急増が初動を抑える鍵
出来高急増はうまく活用すれば大きな値動きの初動を抑えて利益を得るチャンスになります。
- 安値圏では、株価上昇
- 高値圏では、株価下落
- 上髭付き陰線でも株価下落
必ずしもこの通りに動くとは限りませんが、1つの値動き予想の基準として頭に入れておいて損はありません。
1つの投資判断基準として抑えておきましょう。
※利用規約を厳守の上、ご投稿ください。