SORを使った株取引、個人投資家にとって最大のデメリットとは

有利な株価で取引できるよう、自動で市場を使い分けてくれる「SOR注文」

便利なSORによる株の注文にもデメリットが…。

SOR注文のデメリットとともに2019年に発覚したSBI証券のSOR問題を解説します。

SOR注文での株取引に潜むデメリット4つ ※SBIのSOR問題も見逃し厳禁

SORで株注文 最大のデメリット

SOR最大のデメリットはHFT業者に注文を先回りされることです。

HFT業者とは「High Frequency Trading(ハイフリクエンシートレーディング)」、つまり株の売買を短いスパンで大量に行う業者のこと。

HFT業者は1000分の1秒の世界で動き超高速で取引を行います。

注文を出してから約定するまでにタイムラグのあるSORはHFT業者の恰好のまと。

HFTによって個人投資家は本来約定するはずの価格よりも不利な取引をさせられる可能性があります。

HFTの手口
個人投資家の売り気配が出た瞬間、これが約定する前に瞬時に買い注文を出して同株を購入。
その直後に+1円を上乗せしてすぐさま売る。
この結果個人投資家は1円高く株をつかまされ、HFTは1円の利ザヤを抜く。

この問題が表面化した「SBI証券のSOR問題」についてはこの記事の後半で詳しく解説します。

SORのデメリットになりうる特徴

SORで株を注文する際、デメリットになりうるポイントは全部で4つ。

以下でそれぞれについて詳しく解説していきます。

SOR注文のデメリット

①最良の条件にならないこともある
②SOR対象銘柄は東証上場企業のみ
③逆指値注文が使えない
④SOR対応の証券会社が少ない

※反対にSOR指定をうまく活用して利益を増やすこともできます。

最良の条件にならないこともある

SOR注文をした結果、最良の条件で約定しないことも。

というのもSOR注文での取引市場判定は「注文を受け付けた時点」の各市場での取引価格で判定します。
注文が受け付けられてから市場に注文が届くまでに0コンマ数秒かかるため、「実際に約定する段階」では有利な市場が変わっている可能性もあります。

これは証券会社のSORに関する「よくある質問」でも説明されてるリスクです。
引用元:マネックス証券「よくある質問」より

例えば、ある銘柄でSOR指定の成行買い注文を300株出した時、東証が株価500円、PTSが株価499円だとしましょう。

SOR判定ではPTSの方が安く買えると判定し、PTSに注文が渡ります。

しかしPTSに注文が届くときに東証が498円、PTSが499円になっていたら…。

PTSの方が不利な条件ながらPTSで取引が行われてしまいます。

この場合最も有利な市場での取引がかないません。

短い期間に大量の売買を繰り返すデイトレーダーやスキャルパーにとっては大きなリスク。

ただし、スイングトレードや長期保有の投資手法を取っている方はあまり意識する必要はないかもしれません。

SOR対象銘柄は東証上場企業のみ

SOR注文ができる銘柄は限られており、東証に上場している銘柄のみになります。

つまり東証一部、東証二部、マザーズ、ジャスダック上場の銘柄。

名証・札証・福証の地方証券取引所のみに上場している銘柄を取引したい場合にはSORが使えません。

その他の場合はほとんどの銘柄でSORを使うことができます。

SOR対象銘柄かどうかは各証券会社の取引ツールで一目でわかります。

SBI証券の取引アプリでの表示例

このように、SOR対象銘柄ならば注文画面で「SOR」を選択できる項目があります。

逆指値注文が使えない

SOR注文では「逆指値注文」や執行条件付注文(寄成・引成・寄指・引指・不成・IOC成・IOC指)が選べません。

単純な「指値注文」と「成り行き注文」のみに限定されます。

損切りや株価下落リスクを避ける利確の際には東証、もしくはPTSを指定して逆指値注文を出します。
(※「逆指値注文とは」)

SOR対応の証券会社が少ない

SOR注文に対応している証券会社は数少ないです。

SOR対応の主な証券会社は下記の4つ。

  1. SBI証券
  2. 楽天証券
  3. マネックス証券
  4. auカブコム証券

上記以外の証券会社で株の取引をしている投資家はそもそもSORを使うことができません。

また、数少ないSOR対応の証券会社の中、「SBI証券によるSOR問題」が投資家たちを騒がせた過去があります。

指摘されたSBI証券のSOR問題

2019年11月18日、日経新聞によって報じられたSBI証券のSOR問題。

投資家たちの間に激震が走りました。

SOR注文を使うと、強制的に個人投資家にとって不利な取引をさせられているというもの。
さらに当時のSBI証券ではSORの設定を外すことができず強制的にSORを通した注文になっていたのです。

いまでこそ、SORの設定を外すことができますが、公平だと思われている株の取引で個人が不利になるとは怖いものです。

SBIのSOR問題の発端

SBIのSOR問題、ことの発端は日経新聞による記事です。

記事によるとSBI証券のSORの場合、即座に注文が約定しない場合は0.1秒~0.3秒の間、その注文情報が気配値として他の投資家に見える設定になっていました。

このほんの一瞬に思える時間を利用して高速で取引を行うHFT(High Frequency Trading)業者が個人を先回り。

HFT業者が得をして、個人が損をするような取引が行われていると言います。

SBI証券のSORは成り行き注文の場合PTSと優先市場が同じ気配値ならPTSから注文を通します。

例えば500株を成り行き注文します。

PTSでは100円で100株が約定し、400株が残りました。

次に東証の板へ成り行き注文を回すまでに0.1秒~0.3秒間買い板に注文情報が残ってしまいます。

この0.1~0.3秒の間にHFT業者はPTSの買い板情報を見て、東証に先回り。

100円で500株を買ってしまい、即座に101円で売りに出します。

するとPTSで約定しなかった個人の400株分が東証に回ってきたときには、100円で売りに出されている株はなく、101円で約定することになります。

平均約定単価は100.8円。
本来であれば100円で500株約定できるはずでした。

こうしてHFT業者は高い確率で儲かる反面、個人は不利な取引を強いられていたのです。

SOR問題に関する記事が公開された同日、SBIは記事に対してのコメントをリリース。

「これからは注文情報が他の投資家から見えないようにします。」

報道内容を否定することはなく、今日から是正されていますという言葉のみ。

個人の投資家が不利になるようなことを裏で行っていたと考えられても仕方ありませんね。

SBIのSOR問題のその後

ニュース同日にSBI証券から発表されたSORシステムの是正によって個人投資家の不利益は解消されたように見えます。

しかしこのニュースによってSBI証券から離れる投資家もちらほら…

証券会社選びの重要性を思い知らされました。

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