株の売買ロジックを検証するためのソフト、システムトレードの達人。
実は、2020年内での販売終了を運営者がSNSで明かしています。
販売を終える理由は公表されていません。しかし「いまさら選ぶ理由もないソフト」と評されることもあった、システムトレードの達人の評判の悪さが大きな理由ではないかと私は読んでいます。
目次
システムトレードの達人は選ぶ理由なし
システムトレードの達人は、選ぶ理由がないとの評判を受けるシストレ用ソフト。
2020年内での販売終了に至るほどの悪評判を集めた、システムトレードの達人の機能を分析します。
代表が2020年内の販売終了を予告
システムトレードの達人は、2020年内で販売を終えることが決定しています。
2020年1月、シストレの達人運営者の西村氏がTwitterに以下の投稿。
引用元:Twitter@nishimuraFTより
システムトレードの達人の開発者である斉藤氏と協議の上、2020年内の販売終了を決めたとのことです。
ダウンロードして使用するソフトのため、販売終了しても既に購入していた方は継続利用が可能でしょう。
しかし、販売終了後一定期間が経てばサポートも終了。
最近にシステムトレードの達人を購入し、HPで謳われているような「充実のサポート体制」をあてにしていた方は災難です。
公式HPには販売終了の情報がないため、西村氏のSNSをフォローしていなければ知る由もありません。
そもそもなぜ、販売を終えることになったのでしょうか…
システムトレードの達人ユーザーからの評判にヒントがありました。
いまさら選ぶ理由なしとの声
システムトレードの達人の評判を見ていくと、「いまさら選ぶ理由が見つからない」との声がいくつも見つかりました。
私も斉藤さんが作ったソフトということで期待してこのソフト買ったのですが… 少なくとも後発組のソフトに求められる、既存のソフトにない優位性というものがなく、むしろ機能面で劣後していると思います。
引用元:株システムトレードを語ろう!「システムトレードの達人を語ろう!」より
引用元:株システムトレードを語ろう!「システムトレードの達人を語ろう!」より
システムトレードの達人は、シストレ用ソフトの中では後発にあたるサービス。
にもかかわらずシストレの先駆者的ソフトとの差はなく、むしろ劣っているとの評価を受けています。
また、2010年に発売された後、ほとんど改善が見られなかったことも原因の1つです。
アップデートが少なく機能が古い
システムトレードの達人の機能は、アップデートがほとんど行われていませんでした。
HPを見ると発売後すぐの2011年に頻繁にアップデートされた後、2013年、2018年に1度ずつ更新を実施。
引用元:システムトレードの達人「お知らせ」より
更新頻度が極めて低いです。
コンピュータを使った株式投資ツールは年々進化しています。
いまではAIを使って急騰株を抽出するソフトも。
5年単位で機能更新が行われなければ、変化が激しい業界で取り残されるのも当然のこと。
確かに、古いソフトを今さら使おうという気にはなりません。
ロジック販売はなく自力開発必須
システムトレードの達人は、自力で売買ロジックを開発する必要があります。
多くのシストレツールでは、他の人が作成した利益率の高いロジックを購入して使うことが可能。
しかしシストレの達人は、自分で開発したロジックを検証することしかできません。
自力での売買ルール作成は難しいけど、とにかく勝てるロジックを使って自分も勝てるようになりたい人には適さないソフトです。
シストレ検証用ソフトでは最高額
システムトレードの達人の費用はシストレソフトとして最高額クラスです。
ソフトの本体価格は189,000円(税別)。
さらに1年後からは株価データの利用に別途年間14,400円(税別)の支払いが必要です。
提供するのはロジックの検証環境のみ。
にもかかわらず費用面だけで見ても業界トップクラスの高額ソフト。
他のシストレ用ソフトとは一線を画す独自の機能などあれば検討の余地ありですが、ロジック検証は最低限どのツールでも出来ます。
確かに、わざわざシステムトレードの達人を選ぶ理由は感じません。
システムトレードの達人で勝てるようにはならない
システムトレードの達人は「使ったら勝てるようになる」代物ではありません。
肝心なのは結局のところ、「勝てるロジックを自分で編み出せるかどうか」です。
多くの投資家がかつてない損失を経験したコロナショック。
システムトレードの達人ソフト利用者の中でも、「大幅な損失を経験した投資家」と反対に「大きく利益を獲得している投資家」の2種類が存在します。
大損した投資家の例
サラリーマン投資家の遠州屋仁左衛門さんは、コロナショックの2~3月に約120万円の損失を経験。
引用元:平凡なサラリーマンの資産運用ブログ「コロナショックの経験」より
大勝ちした投資家の例
統計トレーダーの夢幻さんは、2月+17.2%、3月+26.3%と好成績。
引用元:実践投資家から学ぶ、実践トレーダーへの道「2020年成績 途中経過」より
どちらの投資家もシステムトレードの達人を使って、売買ロジックの検証を行っています。
しかしコロナショック時の成績には大きな乖離。
1番の原因は、それぞれの投資家が開発したロジックの差です。
コロナショックで大きな損失を経験した遠州屋仁左衛門さんは2~3月に運用していたロジックについて、以下のように振り返っています。
順張り売買ルールについては売りシグナルの条件式が甘かったことも原因だと思っています。反省することは山ほどありますが、今はこの経験を次に生かすことが大事だと気持ちを切り替えています。引用元:平凡なサラリーマンの資産運用ブログ「コロナショックの経験」より
結局のところ、勝てるロジックを開発できるかがシステムトレードの達人利用者の明暗を分けています。
システムトレードの達人を使えば勝てる、ということは一切ありません。
システムトレードの達人を選んだ人の選定理由
システムトレードの達人を購入したユーザーは、「斎藤正章氏が開発した」という点に惹かれていました。
斎藤正章氏は凄腕の個人投資家として2000年代初頭に注目されたシステムトレーダー。
ダイヤモンドZAiでの特集やセミナーへの登壇、投資本の出版など、当時は知名度が高い投資家でした。
注目の理由は人並み外れた高い投資成績。
2004年に385%、2005年には397%の資産拡大に成功するなど異次元の利率です。
確かにこれだけの凄腕システムトレーダーが開発したソフトとなると、使えば自分も勝てそうだなと感じるのも納得。
しかしシステムトレードの達人を実際に利用した投資家からは下図のような声が多々聞こえます。
引用元:株システムトレードを語ろう!システムトレードの達人を語ろう!」より
斎藤氏がいくら優れたトレーダーであれ、優れたシステムトレードソフトを開発できるかは別問題。
とは言え約20万円の高額ソフトですから、機能が低いからとわざわざ他のソフトを再度購入するのはもったいないですよね。
現在でもシステムトレードの達人を利用している人は、最低限売買ロジックの検証ができれば問題ないシステムトレードの熟練者でしょう。
システムトレードの達人は評判の悪いソフト
システムトレードの達人が2020年内で販売終了するのは、「いまさら選ぶ理由がない」との評判が影響していそうです。
ソフトのアップデートはほとんど行われず、機能が古いまま。
また、シストレの達人は既成のロジックを提供していません。
つまり、「勝てるロジックを開発できる腕」がなければ使いこなすことは出来ません。
2020年現在では、AIを活用して急騰・急落する銘柄を抽出できるソフトも。
SNSやネットの情報を収集していると、機関投資家だけでなく、個人投資家のAIソフト利用者も増えているようです。
自分で売買ロジックを開発する自信がない方やテクニカル以外の情報分析もしたいという方は、「AIソフトに銘柄抽出を任せる」という選択肢もありです。
当サイトでも株のAIソフトについて分析・検証した記事を作成しています。
興味があれば株ソフトカテゴリーの記事を覗いてみてください。
※利用規約を厳守の上、ご投稿ください。