ついに日本政府までもがNFTを活用した実証実験を始めるなど、ますます注目度が高まるNFT関連銘柄。
NFTに関連するニュースや企業のIR情報が公表される度に株価が急動しています。
例えばリミックスポイント(3825)は孫会社のNFT事業への参入を公表し、年初来から5倍以上まで株価が上昇しました。
ただ、現時点では話題性で買われることが多いNFT銘柄。株価の乱高下が激しく、安定して右肩上がりのチャートを描いている銘柄は多くありません。
そこでNFTの現状や将来性、NFTに関連する株式テーマと日本株・米国株それぞれのNFT関連銘柄を調査。
するとNFT事業による業績の拡大に伴って右肩上がりの株価成長が期待できる本命株が見えてきました。
目次
NFT銘柄とは
2021年に突如として話題になり、多数のメディアでも取り上げられるようになったNFT。
2020年と比べるとNFTの市場規模は6~7倍にまで拡大しました。
そしてこの流れは2022年もより一層加速していくでしょう。むしろ2022年からが本格的なNFT時代の幕開けとする声もあります。
そんなNFTの関連銘柄にどんな会社があり、その中でも有望な銘柄がどれなのかを見分けられるようになるためには、まず「NFT」そのものが何たるかを知っておくことです。
そもそもNFTとは
NFTとはNon-Fungible Token(非代替性トークン)の略称です。
これまでデジタルデータの最大の欠点と言われていたコピーや改ざん、著作権侵害のリスクがNFTによって解消できるためデジタルデータの在り方を変える画期的な技術として注目されています。
NFTを活用すればデジタル作品の作者や所有者を証明し、売買履歴をたどることもできます。
このNFTの技術によって、今まで希少性を担保することが困難であったデジタルアートを「一点もの」として扱うことができるようになりました。
今やデジタルアートだけでなくファッションやゲームの世界でもNFTの技術が活用され始めており、NFT市場は急速に拡大しています。
NFT注目の背景
2021年、NFTが急激に注目された背景には、NFTの高額取引の事例が相次いだことや著名人の利用によって一般層にも広く知れ渡ったことが挙げられます。
例えば、Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏の初投稿は3億円、デジタルアート作家であるビープル氏の作品「5000 Days」は約75億円で落札されました。
先日宇宙へ行った前澤氏も、宇宙で撮った初めての写真をNFT化して話題になっています。
またNFTはメタバース(インターネット上に展開される先進的な仮想空間サービス)を構築するための技術要素の一つとされており、メタバース内で扱われる建築物やアイテムをNFT化することで、メタバースをベースとした経済活動が可能となります。
今までのメタバース上のアイテムはコピーができたり、サービス終了とともに消滅してしまうものでした。
それがNFT化することで、メタバース内の建築物やアイテムがコピーできない唯一の存在として、所有権を証明できるようになりました。
このようにメタバースとNFTを組み合わせることで、現実世界の資産とは別に、仮想世界の中に新たな資産を持てるようになり、これを可能としたNFTの存在はますます注目されています。
NFT関連事業
NFT関連の事業には、コンテンツや既存製品をNFT化したものや、NFTアイテムを新たに製作して事業展開したものがあります。
またNFTマーケットプレイスなど、NFTを作成、売買できるプラットフォームも関連事業になります。
NFTの将来性
NFTは現在、アート作品やゲームなどのデジタル作品が主流ですが、ブロックチェーン技術による改ざんの防止は様々なデジタルデータに応用が可能です。
例えばスポーツや芸能などのファンビジネス、トレーディングカードやライブチケット、会員権などもNFTとの相性が良いと言われています。
また、海外では不動産をNFT化して販売する事業が開始されるなど、不動産業にも取り入れられ始めました。
このように今後様々なものが、我々が意識するしないにかかわらずNFTの対象になっていきます。
NFT関連の本命銘柄(日本株)
ここでは、様々なかたちでNFTビジネスを展開している日本の企業をご紹介します。
単にNFTをデジタル世界のもので完結させずに、現実世界の美術品や働き方の改善などにNFTを活用し現実世界×デジタル世界を推進する事業に注目しています。
メディアドゥ(3678)
・株価:4,160円
・時価総額:約676億8,900万円
・事業内容:デジタルコンテンツの流通事業を提供。
・NFT事業との関連性:ブロックチェーン等の先端技術を活用した新たなプラットフォーム創出を目指す「電子書籍流通事業」に力を入れている。
メディアドゥは2018年から出版取次大手トーハンと研究開発を進めてきたNFT活用の「デジタル付録」を世界で初めて流通させました。
2021年12月時点で「SPA!」(扶桑社)、「岡崎紗絵1st写真集「すがお。」」(主婦の友社)、「北川綾巴写真集」(扶桑社)を発売しているほか、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館でも検討をしています。
また2021年10月、NFTマーケットプレイス「Fan Top」のサービスも開始しました。
この「Fan Top」ではNFTの投機的な面を抑制し多くのユーザーに「デジタルコンテンツのアセット化」を体験してもらう仕掛けとして、決済に暗号資産(仮想通貨)は利用できないようにしており、クレジットカードでの円決済としています。
Shinwa Wise Holdings(2437)
・株価:341円
・時価総額:約32億9,100万円
・事業内容:美術品の公開オークションの企画・運営の最大手。
・NFT事業との関連性:グループで取り扱うアート作品をNFT化し販売する事業を開始
Shinwa Wise Holdingsはグループで取り扱うアート作品をNFT化して販売する事業の一環として、2021年10月28日日本初のNFTオークションを開催。
落札率100%、落札価格合計1,879万円としました。
同社はこれまでもNFTのセミナーやNFTアート展の開催、NFTアートの販売など、国内のNFTアート市場を牽引しており、世界のデジタルアーティストたちのNFT展を開催できる環境を整え、NFTアートを日本から発信していく計画です。
フーバーブレイン(3927)
・株価:808円
・時価総額:約45億7,000万円
・事業内容:情報セキュリティサービスの開発・販売企業
・NFT事業との関連性: NFT事業を手掛けるDigital Entertainment Asset社と資本業務提携をする
フーバーブレインは各企業で収集された「働き方」データを広く社会で活用出来れば、社会全体の生産性向上に役立つのではないかと考え、実現しようとしています。
各企業での働き方を見える化したデジタルデータは強固なセキュリティが必要とされるため、ブロックチェーン技術を利用したデジタルアセット取引プラットフォームでのデジタルデータの共有を目指します。
Digital Entertainment Asset社との資本業務提携は上記サービス実現のための大きな一歩です。
※株価、時価総額は全て2021年12月21日時点のものです。
NFT関連の本命銘柄(米国株)
ここでは、NFTに関連する米国株の銘柄をご紹介します。
既に名の知れた企業であり既存事業も安定している会社が多いです。
ただ、NFT事業への参入によって既存事業とのシナジー(相乗効果)がうまれ、業績を大幅に伸ばすことに期待ができる銘柄を選んでいます。
ウォルトディズニー(DIS)
・株価:151.88ドル
・時価総額:約2,760億ドル
・事業内容:総合エンターテインメント企業。ケーブルチャンネルやラジオ局を運営のほか、「ディズニー・ワールド」、「ディズニー・リゾート」を所有。劇場映画やDVDの制作も行う。
・NFT事業との関連性: コンテンツIPをNFT化して販売
2021年11月にDisney+のNFTコレクティブルシリーズのリリースを発表しました。
NFTはキャラクタービジネスと非常に相性がよく、キャラクターへの熱狂的なファン層を獲得できる強みがあります。
自分の好きなキャラクターグッズをコレクションするためならお金を惜しまないという方は世界中にいます。
キャラクタービジネスを手掛けるウォルトディズニーは、アメコミのMARVELやスターウォーズ、ピクサーも傘下に収めており、NFT関連事業の拡大の規模は相当なものになると思われます。
ショッピファイ(SHOP)
・株価:1,370.11ドル
・時価総額:約1,574億ドル
・事業内容:コマース・プラットフォームを提供
・NFT事業との関連性: 認証を受けた売り手がNFTを同プラットフォーム経由で販売するサービスを提供
顧客がそれぞれの企業から各ブランドのNFTを購入できるよう、Shopifyに加盟している企業が独自のNFTを発行し直販することを可能にする新機能を開発。
一般のECサイトとユーザーに対してNFTをより身近にするサービスを提供するなど、今後のNFTの発展に大きく貢献していくと思われます。
フンコ(FNKO)
・株価:18.66ドル
・時価総額:約7億ドル
・事業内容:ポップカルチャー製品メーカー。主に米国と欧州で、ポップカルチャー製品を消費者向けに製造する。
・NFT事業との関連性: NFTアプリを開発している「Token Wave」を買収し、NFT形式のデジタルコレクショングッズを販売する予定
今後のポップカルチャーのプラットフォームには、デジタル資産も含まれていくと考えNFT事業へ参入。
NFTのデジタル作品をコレクション&管理できるサービスを運営するTokenHeadの開発元、TokenWaveを買収しています。
TokenHeadはサイトの日間訪問者数は10万人超、1000万を超えるNFT作品を取り扱うという大規模なもの。
これらの資産を活用したポップカルチャーのNFT化、拡大には非常に期待が持てます。
※株価、時価総額は全て2021年12月22日時点のものです。
NFT関連の銘柄一覧
世界中で急激に注目されはじめているNFT。ここでは日米のNFT関連有力銘柄をご紹介します。
NFT関連の日本株 | コード | 時価総額 | 関連性 |
---|---|---|---|
アイフリーク | 3845 | 約25億円 | Hashport社とNFTマーケットプレイスの開設などNFT分野での契約を締結。将来的にメタバース上でNFT作品の展示などを検討 |
GFA | 8783 | 約32億円 | 不動産投資事業を展開。NFTを保管するウォレットなどを独自開発していくことを発表 |
Shinwa Wise Holdings | 2437 | 約33億円 | グループで取り扱うアート作品をNFT化し販売する事業を開始 |
コムシード | 3739 | 約42億円 | 韓国のFSN社とNFTゲーム事業に関する基本合意書を締結 |
フーバーブレイン | 3927 | 約45億円 | FT事業を手掛けるDigital Entertainment Asset 社と資本業務提携 |
モバイルファクトリー | 3912 | 約77億円 | 日本初のNFTのマッチングプラットフォームを公開 |
アエリア | 3758 | 約93億円 | 子会社のサクラゲート社が音楽専門のNFTマーケットプレイス「The NFT Records」を開始すると発表 |
マーチャント・バンカーズ | 3121 | 約119億円 | 不動産投資・仲介業を手掛けている。子会社のMBKブロックチェーン社がNFT売買プラットフォームを運営 |
Link-U | 4446 | 約152億円 | マンガ分野のブロックチェーン事業・NFT化も |
マネックスグループ | 8698 | 約1843億円 | 子会社のコインチェックがNFTマーケットプレイスを提供 |
CAICA | 2315 | 約170億円 | 子会社のCAICA テクノロジーズが発行及び流通が可能なNFTプラットフォームを販売 |
gumi | 3903 | 約216億円 | 世界最大のNFTマーケットプレイスであるOpenseaに出資。NFTゲームのマイクリプトヒーローズを展開。 |
ファインデックス | 3649 | 約265億円 | シンガポールのNFT事業を手掛けるDEA社と資本提携 |
エムアップホールディングス | 3661 | 約380億円 | 子会社Fanplus社がNFTマーケットプレイス「Fanpla Ower」を2022年2月にオープンすると発表 |
Speee | 4499 | 約487億円 | 子会社Datachainがブロックチェーン・NFT関連事業 |
メディアドゥ | 3678 | 約670億円 | NFTを活用した「デジタル付録」の流通、NFTマーケットプレイス「Fan Top」のサービス開始。 |
マネックスグループ | 8698 | 約1,843億円 | 子会社のコインチェックがNFTマーケットプレイスを提供 |
カプコン | 9697 | 約7,517億円 | 自社コンテンツのストⅡのNFTデジタルカード |
スクウェア・エニックス | 9684 | 約7,609億円 | 自社コンテンツの「NFTデジタルシール」を販売。LINE BITMAX Wallet内で二次流通販売にも対応 |
メルカリ | 4385 | 約9,650億円 | プロ野球のパ・リーグ6球団の共同出資会社と共同でNFT事業に参入 |
NFT関連の米国株 | コード | 時価総額 | 関連性 |
---|---|---|---|
Funko,Inc. | FNKO | 約7億ドル | NFTアプリを開発している「Token Wave」を買収。NFT形式のデジタル コレクション グッズを販売 |
Mattel,Inc. | MAT | 約71億ドル | 消費者向けプラットフォームを通じて他の玩具ブランドのNFTクリエーションを立ち上げる予定 |
TWTR | 約351億ドル | ウォレット内のNFTとtwitterの連携など、NFTの認証機能をテスト中 | |
Cloudflare,Inc. | NET | 約374億ドル | ビデオ共有プラットフォームであるCloudflare Streamに、クリエイターが動画にNFTを埋め込むことができるサービスを開始 |
Roblox | RBLX | 約542億ドル | クリエイターが作ったアイテムやアバターをNFTとして売れるようなシステムを提供する予定 |
Shopify Inc. | SHOP | 約1,574億ドル | 認証を受けた売り手がNFTを同プラットフォーム経由で販売するサービスを提供 |
The Walt Disney Company | DIS | 約2,769億ドル | NFTのデジタルコレクタブルシリーズを販売開始 |
※時価総額は全て2021年12月22日時点のものです。
NFT関連の株テーマ一覧
NFTには、様々な関連テーマがあります。
こちらではそれらのテーマの中でも、今後規模が大きくなると思われる有力なテーマをご紹介します。
NFTマーケット
NFTマーケットとはNFTマーケットプレイスともよばれ、NFTの取引ができるプラットフォームのことをいいます。
NFTマーケットプレイスでは、企業やクリエーターが作成したNFTを取引(一次販売、購入)したり、ユーザー同士が保有しているNFTを取引(二次販売、購入)したりすることができます。
現在、最大手のOpenSeaを筆頭に、事前承認制でアーティストの質を担保しているFoundation、2018年からサービスを提供しているSuperRare、Coincheck社が運営するCoincheck NFTなどがあります。
2022年春にはLINEの子会社LVCから、LINE Blockchain上で発行されたNFTの一次販売から二次流通までをワンストップで行うことができ、ユーザーは欲しいNFTを日本円で簡単に購入・ユーザー同士で売買することが可能な、より身近なNFTマーケットサービスも開始されます。
NFTの急速な拡大に伴い、新しいNFTマーケットプレイスも続々と誕生しており、中には今までの経験に似た、より身近なサービスも登場するなど、これからより一層盛り上がっていくと思われます。
【日本株】
アイフリークモバイル(3845)
メルカリ(4385)
GMOインターネット(9449)
【米国株】
coinbase(COIN)
ドラフト・キングズ(DKNG)
メタバース
メタバースとは、インターネット上の共有型仮想空間を指し、利用者が活動できる経済圏をもった仮想空間です。
有名なところでは、マインクラフトやフォートナイト、あつまれ どうぶつの森の世界もメタバースの1つといえます。
ブロックチェーンを用いてこのメタバースを構築すると、メタバース内に資産を生み出すことが可能となります。
実際、マインクラフトの開発元であるマイクロソフトはこのゲーム内へのブロックチェーンの技術の取り込みに積極的で、マインクラフト内で利用できるNFTを獲得できるブラウザゲームを開発しています。
今やメタバースは、インターネットを介して人々が集まり、経済活動を行う場所として確立しています。
現在、世界的な大企業がメタバース市場への参入を試みており、既に関連アプリやAR(拡張現実)の技術の提供、導入を実現しており、これからもますます盛り上がっていくテーマになりそうです。
【日本株】
シーズメン(3083)
燦キャピタルマネージメント(2134)
グリー(3632)
【米国株】
マイクロソフト(MSFT)
メタプラットフォームズ(Facebook)(FB)
エヌビディア(NVDA)
仮想通貨
仮想通貨とは、インターネット上で利用できる世界共通の通貨で、トークンとも呼ばれます。
ブロックチェーンという仕組みで、その改ざんや不正が防がれており「〇円分の資産価値を持ったデジタルデータ」として他の仮想通貨や現金と交換できます。
NFTもまたブロックチェーン技術を使ったトークンの一種で、ブロックチェーン上のデジタルデータである点は同じです。
しかしその技術はIDや発行個数等の個別データが記録でき、デジタルデータとセットにすることで、データの唯一性を証明できるものとなります。
仮想通貨が「〇円分の資産価値を持ったデジタルデータ」であるのに対し、NFTは「デジタルコンテンツの鑑定書」の役割をしています。
【日本株】
GMOインターネット(9449)
マネックスグループ(8698)
【米国株】
コインベース(COIN)
マーキュリティ・フィンテックHD(MFH)
ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)
キャラクターIP
キャラクターIPとは、IPの中でも特にゲームやアニメ、漫画、テーマパーク等のキャラクターを活用したビジネスです。
既に人気となっているタイトルのIPを取得し、ゲームというコンテンツを売り出して利益を得るビジネスモデルでは、バンダイナムコが有名です。
その他、人気漫画やテーマパーク等のキャラクターをNFT化して美術品として新たな価値を訴求するなど、キャラクターIPとNFTは親和性が高く、日本でも各大手出版社や大手ゲーム会社、映画会社、海外でもウォルトディズニー社など続々と参入しており、今後大きく伸びるカテゴリーとして期待されます。
【日本株】
バンダイナムコホールディングス(7832)
KADOKAWA(9468)
サンリオ(8136)
スクウェア・エニックス・ホールディング(9684)
【米国株】
ウォルトディズニー(DIS)
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