大株主の調べ方は全部で3パターン。
どれもスマホで簡単に調べられる方法を解説します。
また、大株主や株主構成をもとに、投資先の銘柄選びをする方法も合わせて解説します。
目次
大株主の調べ方
特定の企業の大株主は、下記の3つの方法で調べることができます。
①各証券会社の四季報ツール
②Ulletで検索
③四季報オンライン
通勤中などでもさくっと調べられる、手軽な調べ方から順に紹介しています。
各証券会社の四季報ツール
一番簡単に調べられるのは証券会社のスマホアプリで見られる四季報欄を使う方法です。
例えば、SBI証券のアプリでは下図のように四季報データを見ることができます。
大株主の一覧と保有株数、保有比率、そして株主数が調べられます。
Ulletで検索
証券会社のツールで四季報が見られない方は「Ullet」というサイトを活用して大株主を調べられます。
Ulletの特徴は、過去5年間の株式保有比率の変動を見ることができる点です。
株主構成の比率がどう変わったかによって企業の将来性を読み取ることもできます。
株主構成の変化を投資判断に活用する方法は「2章 大株主でわかる企業の投資価値」で解説します。
Ulletを使った大株主の調べ方
- まずはUlletのサイトにアクセスし企業名検索
- 大株主をタップ・クリック
- 過去5年の大株主情報が見られる
引用元:Ulletより
四季報オンラインで検索
会社四季報オンラインは書籍として年に4回出版されている「会社四季報」がネットで見られるサービスです。
引用元:会社四季報オンラインより
有料会員に登録すれば外出先でもスマホで企業情報や業績を詳しく調べることができます。
ただし大株主は上記2つの方法で無料で調べられるため、大株主情報だけを見る手段としてはおすすめしません。
株主構成の調べ方
企業の投資価値を判断するには、大株主だけでなく株主構成の全体像も見ます。
株主構成とは
株主構成とはその会社の株主にどんな属性の個人や法人組織がいるのかや、それぞれの保有比率を表しています。
主な項目は下記の5つ。
- 大株主:保有株数上位10位程の株主
- 外国:外国人投資家や外国の機関投資家の保有比率
- 投信:投資信託などの国内機関投資家の保有比率
- 浮動株:市場で売買できる株式の比率
- 特定株:会社役員などの大株主が保有する、普段売買されることのない株式の比率
そんな株主構成の簡単な調べ方を解説します。
①証券ツールを活用
③四季報オンラインで確認
証券ツールを活用
証券会社の四季報ツールを活用すれば株主構成を簡単に確認することができます。
株主構成は下図のように「大株主」一覧と同じ箇所に記載されています。
四季報オンラインで確認
利用している証券会社のツールで四季報のデータが見られない場合、有料の四季報オンラインや会社四季報の書籍で閲覧することもできます。
非上場企業の株主構成を調べるのは困難
非上場企業の株主構成を調べるのはとても難しいです。
上場企業の株主構成は公開されていますが、非上場企業の株主構成は公開されないことがほとんど。
株主名簿を作成することは義務付けられているため、名簿自体は存在します。
また、自社の株主や債権者からの名簿の閲覧請求には対応する義務があります。
しかし株主以外の人間が名簿閲覧を要求しても開示してもらえる可能性は低いでしょう。
株主構成でわかる企業の投資価値
企業の株主構成を見ることでその企業への投資価値を判断する材料になります。
「大株主」の買いポイント4つ
①創業者・経営者が大株主
②有力な投資家が大株主
③親会社や大手企業が大株主
④株主の保有比率の変化
創業者・経営者が大株主
創業者や現役経営者が大株主である場合、投資価値が高いと判断できます。
※主に新興市場上場の企業。
大株主である経営者は自社の株価を上げることが、直接自身の資産を拡大することになります。
その分株価を上げるための行動を積極的に行うでしょう。
創業経営者のカリスマ性によって株価が上がりやすく、下がりにくいという利点もあります。
例えばソフトバンクグループの創業者、孫正義氏を例に考えてみましょう。
ソフトバンクグループは2020年5月、最終赤字約1兆円となる過去最大の赤字決算を発表しました。
にもかかわらず株価は好調で、20年ぶりの高値という現状。
この背景には自社株買いや子会社のアリババや通信子会社のソフトバンク株式会社の現金調達、そしてこれを実行する孫正義氏への信頼感があるのではないでしょうか。
創業経営者が在任中の可能性が高い、マザーズやジャスダックのベンチャー企業で特にこの傾向が強くなります。
有力な投資家が大株主
有力な投資家が大株主に名を連ねていたら、投資価値が高いと判断できます。
有力な投資家とは、機関投資家や個人投資家を含め、投資成績の良い投資家のこと。
例えば個人投資家で有名な「五味大輔」氏はそーせいグループ(4565)の個人筆頭株主として有名です。その他17銘柄でも大株主となっています。
100万円の元手から資産250億円を築いた五味大輔氏の投資銘柄は注目されますし、同じ銘柄に投資すれば儲かる確率が高いです。
大株主に個人名が出てくるときは創業者や経営者の親族か、凄腕の個人投資家の2パターン。
どちらのパターンに当てはまるのか、該当の個人名を検索して調べてみましょう。
親会社や大手企業が大株主
親会社や大手企業が大株主にいる場合、投資価値が高いと判断できます。
その理由は2つ。
①資金面での後ろ盾があり、突然の経営破綻などを避けられるから。
②大手企業が注目するほどの事業展開を行っていると判断できるから。
リスクヘッジができる上、企業の将来性にも期待ができます。
例えば、バイオベンチャーのアンジェス(4563)の大株主には一部上場の大手企業塩野義製薬(4507)がいます。
両社は提携関係にあり、アンジェスは塩野義製薬からの増資も受けています。これは力強い後ろ盾があることを意味します。
比較的ハイリスクハイリターンであるバイオベンチャーながら突然の経営破綻の可能性が低く、今後の将来性にも期待が持てます。
大株主の保有株式数の変化
大株主の保有株式数の変化に注目すれば、その企業への期待値を読み取ることができます。
※保有株式数の変化はUlletで確認できます。
- 保有株数が増加
- 保有株数が減少
前年に比べて保有株数が増えている場合、その投資家は企業の将来性に自信を持っていると読み取れる。
保有株数が減っている場合、その投資家は企業の経営状態に不安を感じていたり、他に魅力的な企業が現れたため投資資金を移行している可能性を読み取れる。
有力な機関投資家や個人投資家が保有株数を増やしていたら、投資価値が高いと判断しましょう。
<外国>比率と海外情勢の関係
株主構成で<外国>投資家の比率が高い銘柄は、海外情勢の影響を受けやすいため比較的リスクが高いと考えられます。
また、外国人投資家は運用額が大きく株価に影響を与えやすいです。
つまり<外国>比率が高い銘柄は株価の変動が大きい銘柄です。
<投信>比率と銘柄の注目度
<投信>比率の高い銘柄は注目度が高いと考えられます。
<投信>とは投資信託の略で、個人のお金をプロの投資家集団がまとめて運用しています。
<投信>比率が高いとその分プロからの注目度が高い、反対に低いとあまり注目されていない銘柄だと言えます。
<浮動株>比率と株価の上がりやすさ
<浮動株>比率が低い銘柄は株価が上がりやすいと考えられます。
浮動株というのは、市場で取引可能な株のこと。
反対に経営者や大株主、自社の持株会などが保有している、基本的に売られることのない株を「特定株」と言います。
浮動株比率が低いと、売買可能な株数が少ないということ。その少ない株数をこぞって買いに入ると簡単に株価が上がっていきます。
浮動株比率が低いというのはいわば希少価値が高いということになります。
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