EUV関連銘柄 半導体小型化の鍵を握る次世代技術に注目

今後一層需要の高まる技術として注目されているEUV(極端紫外線, Extream Ultraviolet)。

EUVとは半導体の製造工程で使われる「光」のこと。これまでよりも波長の短い光であるEUVを使うことでより繊細で複雑な半導体回路が作れるようになります。

AIやIoT、EVなど半導体を使用するデバイスの小型化や高性能化が急速に進む中で、EUVによる半導体の微細化技術への需要がより一層高まっています。

そんなEUVについて注目の背景やEUVを取り巻く半導体市場の動向、関連する有望銘柄まですべて解説していきます。

EUVとは半導体小型化の鍵を握る次世代技術※関連銘柄あり

EUVとは

EUVとは、半導体の回路を描く際に使われる光の一種です。

半導体の基板に回路を焼き付ける際には、光に反応して溶ける材料で回路パターンを描き、そこに光を当てることで回路を形成します。

中でもEUVはこれまで主流であった光の約1/14もの短さの波長を持つ特徴があります。

この短い波長を活用することで現在大量生産が実現している5ナノ(10億分の1)メートルの線幅よりも圧倒的に細かい3ナノメートルの線幅で回路を描写でき、半導体のさらなる微細加工が可能になります。

EUVが注目される理由

市場では5GやAI、IoT、EVなどの普及を追い風に半導体の微細化・高機能化のニーズが高まっており、その実現のために繊細な回路描写を可能にするEUVの技術が注目されています。

事実、世界のトップ層を走る半導体メーカーTSMCやSamsungはEUVの導入を加速しており、2022年にはTSMCが22台、Samsungが18台のEUV露光装置を導入予定であると報じられています。
引用元:TECH+「2022年はTSMCが22台、Samsungが18台のEUV露光装置導入見通し – 韓国メディア報道

22台って、ニュースになるほどの内容か?と思われるかもしれませんが、EUV露光装置は1台250億円もする代物です。

つまり20台のEUV露光装置を導入するだけで5,000億円の設備投資になるわけです。

そんなEUV露光装置。

実はオランダのASML社が世界シェア100%を有しており、1台250億円する装置の販売権を独占している状態です。

報道通り2022年にTSMCとSamsungの2社に40台のEUV露光装置を販売するだけで8,000億円の売上が計上できる計算になります。

これは2020年度のコカ・コーラボトラーズジャパンの売上高とほぼ同じ金額です。

このようにEUVを取り巻く関連装置や部材では高い技術力が求められる製品が多く参入障壁が高いため、その分各製品の世界シェアは100%に近いものが多くあります。

例えば日本のニコンやキャノンもEUV露光装置の開発には挑戦したものの、開発コストやノウハウが追い付かず開発段階で撤退しています。

つまり現在EUV関連銘柄として名を連ねている企業は競争力が高く、世界的なシェアも高いためEUV需要の拡大に伴って業績も必然的に拡大してことが予想されます。

株式投資家の観点から見ればこんな成長路線を突き進む銘柄たちを見逃す手はありません。

EUV関連銘柄の株価大化け事例

ここで1つEUV関連銘柄の株価上昇事例をご覧ください。

日本の半導体関連検査装置メーカーのレーザーテック(6920)の事例です。

半導体製造ラインにEUV露出装置を導入する際には、半導体製造に使われる各種素材もグレードアップもしくはEUV用に置き換えが必要なケースがあります。

例えば検査装置もその1つ。

EUV関連部材の欠陥検査装置2製品で世界シェア100%を誇るレーザーテックはEUVの需要が大きく貢献し、5年で株価100倍を達成しています。

EUV関連銘柄の株価100倍事例出典:SmartChartPLUSレーザーテック(6920)

過去5年の株価推移をみると、2017年~2019年には半導体需要の増加により株価は順調に右肩上がりし既に株価10倍のテンバガーを達成。

さらに2020年から2021年にかけてEUV露出技術のロジック半導体の生産でTSMCやSamsung、インテルへEUV用検査装置を販売したのに加え、DRAM(半導体メモリ)の大量生産にもEUVが使われたことでSKハイニックスやマイクロンへの検査装置導入が発表されさらに勢いを増して株価を上げました。

2021年だけで見ても、2021年1月の12,290円から12月1日の終値30,440円で約250%も株価上昇していることになります。

世界で高いシェアを持つ企業は既に数万円の株価がついていることも多く、額面だけで判断すれば高い買い物に見えるかもしれません。

しかし実際には需要を伴ってさらなる株価上昇を続ける可能性が高く、高級車や高級時計に投資するのと同じ感覚と言えます。

EUV関連銘柄の本命

ここではEUV関連銘柄の本命株を3つご紹介します。

半導体の微細化に必要不可欠なEUV露出装置メーカーはもちろん、EUV周辺装置や部材を提供しており、かつ世界シェア100%の製品を持つ企業をピックアップしました。

  1. ASML(ASML)
  2. 東京エレクトロン(8035)
  3. レーザーテック(6920)

それぞれが今後も期待できる根拠と合わせて事業内容や将来性を見ていきましょう。

※株価や時価総額は2021年11月30日時点の数値です

ASML(ASML)

・株価:815.01ドル
・市場:NASDAQ
・業種:IT・通信
・時価総額:約3274億ドル

ASMLは半導体用露光装置、検査装置の開発、製造、販売を行い、世界の半導体メーカーの80%以上を顧客としています。

また、半導体の高性能化に不可欠と言われるEUV露光装置では、ASMLが世界唯一のメーカーでもあり、世界シェアは100%です。

1台250億円とも言われるEUV露光装置の独占販売権を持っているようなもので、EUVの需要拡大に伴って売上は右肩上がりで増加していくことは容易に予想ができます。

2021年段階では次世代の3ナノメートルサイズの半導体チップの大量生産体制は確立されていませんが、実用的なコストで実現可能性が見えているのはEUV露光技術だけです。

またEUV露光装置の開発に必要な多額の資金とノウハウが参入障壁となっており、今後もASMLの市場独占状態は続くと見られています。

かつて2000年前後まで露光装置業界シェアの2トップであったニコンやキヤノンも、この多額の開発資金と高度な技術力という障壁にEUV露光装置の開発段階で撤退を決めました。

半導体の微細化ニーズが拡大するにつれてASMLのEUV露光装置の販売台数が増加するのはほとんど確実で、ASMLの業績拡大は既定路線となっています。

東京エレクトロン(8035)

・株価:59,840円
・市場:東証1部
・業種:電気機器
・時価総額:約9兆4217億円

東京エレクトロンは半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ製造装置を開発・製造・販売している電気機器メーカーで、この分野でのシェアは国内首位、世界第4位です。

また東京エレクトロンのコータ・デベロッパ(塗布現像装置)は90%弱の世界シェアを誇り、EUV露光工程に使用するコータ・デベロッパ(塗布現像装置)については世界シェア100%です。

コータ・デベロッパ

光にあたると溶ける感光材を基板の上に塗り、露光装置を使って光を当てて回路パターンを描く装置。

2021年6月、東京エレクトロンはコータ・デベロッパ(塗布現像装置)の次世代装置をEUV露光装置開発会社のASMLとベルギーの研究機関imecが共同運営する研究所に供給すると発表しました。

共同研究では、コータ・デベロッパ(塗布現像装置)の次世代装置とEUV露光装置の次世代機を組み合わせて半導体生産性の向上を図り、3ナノメートル以降の微細な半導体の量産に適用するとしています。

東京エレクトロンはこの最先端半導体の研究開発に参画することで競争優位性を高めることを目的としています。

次世代半導体市場のキープレイヤーとして存在感を確立しており、今後もASMLを始めとするEUV関連装置の高シェア企業と連携してさらなる業績拡大に期待が出来そうです。

レーザーテック(6920)

・株価:29,745円
・市場:東証1部
・業種:電気機器
・時価総額:2兆8700億円

レーザーテックは半導体関連装置メーカーです。

2019年世界で初めてEUV対応の検査装置を完成させ、今ではEUV露光用フォトマスク(半導体回路の原版)の欠陥検査装置や、マスクブランクス(フォトマスクの材料)の欠陥検査装置で共に世界シェア100%です。

今特に需要が高まっているのは、EUV露光用フォトマスクの欠陥検査装置で、従来の光源にDUV(深紫外線)光を用いている装置に比べ、欠陥の検出感度が高いものとなっています。

さらに今後微細化が進み2ナノメートル水準になると、従来のDUV(深紫外線)光を用いている装置では対応できず、レーザーテックのEUV露光用フォトマスクの欠陥検査装置でしか欠陥の検出ができなくなる可能性もあります。

しかし、このEUV露光用フォトマスクの欠陥装置については、同じく半導体検査装置メーカーであり世界首位のKLAテンコール(KLAC)も開発を進めており、2023~24年頃に量産装置としての導入も期待されています。

これによりEUV露光用フォトマスクの欠陥装置の実績をめぐって、両社間の争いが激しくなると思われます。

EUV関連銘柄の一覧

上記でご紹介した企業以外にもEUV関連の銘柄はあります。

一覧にしてご紹介します。

EUV関連銘柄 コード 時価総額 関連性
芝浦メカトロニクス 6590 約421億円 フォトマスクエッチング装置でEUVマスクにも対応
日本電子 6951 約4600億円 フォトマスク製造用電子ビーム装置を展開。マルチビーム機によるEUVフォトマスク需要に対応
ウシオ電機 6925 約2586億円 レーザーテックの検査装置向けにEUV光源を提供
荏原 6361 約5797億円 EUV向露光装置に付帯する真空排気システムの販売を開始
三井化学 4183 約6160億円 AMSLとEUVペリクル(フォトマスク用防塵カバー)を開発し商業生産を開始
AGC 5201 約1兆2555億円 EUV露光用フォトマスクブランクスを手掛ける
レーザーテック 6920 約2兆8144億円 EUV対応の欠陥検査装置を開発
キャノン 7751 約3兆3117億円 EUV露光計測装置を手掛ける
HOYA 7741 約6兆5862億円 EUV露光向けマスクブランクス、EUV用フォトマスクを開発
信越化学工業 4063 約7兆8853億円 EUV用フォトレジストを手掛ける
東京エレクトロン 8035 約9兆3300億円 EUV向けコータ・デベロッパ(塗布現像装置)でシェア100%
ASML ASML 約3000億ドル 世界唯一のEUV露光装置メーカー
TSMC TSM 約6000億ドル EUV露光装置による半導体の量産に成功した半導体製造メーカー

※時価総額(円)2021/12/2時点、(ドル)2021/12/1時点のものです

この他、半導体不足によりますます投資家からの注目が高まる半導体関連の注目銘柄についても解説しています。

興味があれば合わせてご覧ください。

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