株のチャート分析(テクニカル分析)の勉強をしていると必ず出てくるエリオット波動。
エリオット波動理論とは、ラルフ・ネルソン・エリオット(1871~1948)が考案したチャート分析の手法の名前です。
米国で元々は会計士をしていたエリオットですが、病気で倒れたことがきっかけで投資家となり、相場の研究を深めていったようです。
エリオット波動理論は、彼の存命中ではなく、死後に広く知られるようになりました。
そんなエリオット波動が、どのようなテクニカル分析に活用できるのかをわかりやすくお伝えしていきます。
目次
エリオット波動理論は上昇5波と下降3波
エリオット波動には、基本パターンが存在します。
それは、上昇5波動・下降3波動というサイクルです。
上昇5波動とは、株価の上昇局面では「上・下・上・下・上」というサイクルをしながら株価が上昇することを意味します。
下降3波動とは、上昇5波動が終わった後に「下・上・下」というサイクルで株価が下がっていくことを意味します。
引用元:Yahoo!ファイナンス「シュッピン(3179)」より
上の株価チャートはエリオット波動がわかりやすく示現されている好例です。
第1波~第5波までが株価の上昇局面の波動です。
上昇⇒下落⇒上昇⇒下落⇒上昇のサイクルが一目でわかります。
A波~Ⅽ波は株価の下降局面の波動です。
下落⇒上昇⇒下落のサイクルが見て取れます。
上昇局面の第1波~第5波、下降局面のA波~Ⅽ波にはそれぞれ特徴があります。
上昇局面5波動
第1波…本格上昇のための基盤固めの波
第2波…終着点が第1波の始めを割り込まず、第3波の本格的な上昇を示唆
第3波…出来高を伴って上昇局面で最大の株価上昇をする
第4波…最後の上昇である第5波を形成する前の基礎固め。複雑なチャートになることも
第5波…最後の株価の吹き上げ
下降局面3波動
A波…押し目と間違われやすい。そのため、投資家の買い意欲が強くB波の上昇を誘う
B波…A波による下落に対する一般的な戻り。小反発
Ⅽ波…完全な株価の調整局面。上昇サイクルが完全に終わったことを意味する
それぞれの波動には上記のような特徴があり、これらを知ったうえで株価チャートを見ていくと、投資の参考になることでしょう。
エリオット波動の注意点
エリオット波動を用いて個別株をテクニカル分析する際、いくつかの注意点があります。
エリオット波動による分析は、NYダウや日経平均などの株価指数、ゴールドなどの商品や為替などのチャート分析との相性が良いのですが、個別株との相性は良くない場合があります。
ただし、どの個別銘柄とも相性が良くないわけではなく、東証一部に上場されているなかでも、出来高が非常に多い大型株であれば比較的相性が良いものと思われます。
中小型株ですと、出来高が少ない銘柄が多いため、エリオット波動を用いた投資やトレードには注意が必要だと言えそうです。
大事なことは、チャートを分析してエリオット波動のセオリー通りに株価が推移しているかを確認すること。
ダマシに遭う場合もありますので、判断はくれぐれもご慎重に。
株価が上がると思って買ったものの、下落が続くような場合には安易にナンピン買いはしないほうが無難でしょう。
ローソク足が窓開けした時は判断に迷いやすくなりますが、冷静に判断すればヤケドをする確率は減らせると思います。
※利用規約を厳守の上、ご投稿ください。