今のタイミングでナンピン買いをしていいものか、果たして成功するのだろうか。
株価下落のタイミングで「買い増し」を検討する気持ちは痛いほど分かります。成功すれば大きく利益を増やせたり、損失を縮小できるから”気がする”からです。
ナンピン買いの判断に難しい話は不要。ポイントを押さえて精度をあげましょう。
目次
ナンピン買いとは平均取得単価を下げるテク
ナンピン買いは、漢字では「難平買い」と書きます。
「難」は損失を意味し、それを「平ら」(平均)にすることから「難平(ナンピン)」と呼ぶそうです。
損失を平均化する、ナンピン買いの意味そのものズバリですね。
ナンピン買いのメリットとデメリット、どちらの方が大きいのか?
ナンピン買いに適した銘柄に十分な資金と時間と忍耐をもって臨めるのであれば、メリットの方が大きいといえそうです。
短期的な目線で投資する人や資金が乏しい人にはデメリットの方が大きいといえるでしょう。
ナンピン買いは長期投資の場合に限る
ナンピン買いの可否はそもそもの投資期間によって分類しましょう。
長期目線での保有を決めている銘柄の場合、株価が下がったから買うのは合理的です。
長期保有の決意はすなわち企業の将来的な価値を見込んで買ったということ。
将来的に株価が上がることが予想出来ているなら、目先の株価下落はラッキーですよね。
さらなる下落も見越して余剰資金を残しながら計画的にナンピン買いをしましょう。
一方で、短期目線で買った銘柄を無計画にナンピン買いするのはNG。
その後いつ株価回復するか分からず、塩漬けになるリスクが高いです。
チャートの情報だけを頼りに買った短期銘柄は、ファンダメンタルが崩れると暴落する可能性も。
暴落途中でナンピンするのは最悪のシチュエーションです。
あらかじめ想定していたシナリオに反して株価が動き始めたら、一度売ってから様子を見て再度の「買い」か別の銘柄へ移ることを検討しましょう。
ナンピン買いのメリット
ナンピン買いのメリットは主に2つ。
- 平均購入単価の切り下げ
- 平均購入単価が下がり持ち株数が増加することで、株価が上昇した時に得られる利益が増加
引用元:Yahoo!ファイナンス「東映アニメーション(4816)」より
東映アニメを事例にナンピン買いシミュレーションをしてみます。
- チャートの株価5,480円の時に東映アニメ株を100株購入
- 株価の下落が続き、4,855円のところで追加で100株購入(ナンピン買い)
- その後、やや株価が持ち直したが、下落トレンドは変わらず…4,450円で100株追加
- さらに株価が下落したので、4,160円でもう100株をナンピン買い
最初5,480円で投資した東映アニメーション株。
その後、3回にわたってナンピン買いを行い、400株保有で購入平均単価は4,736円まで下がりました。
その後、株価は反転して上昇トレンドに突入。
チャートの右端の5,190円で売り抜ければ、181,600円の利益となりました。
もしナンピン買いをせずに5,190円で売っていれば、29,000円の損切りとなっていました。
29,000円の損失を181,600円の利益にしたわけですから、210,600円のナンピン買い効果があったという計算になります。
ナンピン買いは大きく利益を拡大できるメリットがある反面、リスクも存在します。
ナンピン買いのデメリット
ナンピン買いのデメリットは株価の続落リスクについてです。
- 損失(含み損)が膨らむ
- 塩漬け株を大量に保有することになる
- 資金効率の悪化
- 機会損失
ナンピン買いのデメリットとしては、時間や資金効率、投資機会の損失というお金以外の損失も多いことがわかります。
長期間含み損を抱えることにもなりますので、メンタル面のダメージも大きくなりがちです。
ナンピン買いのメリットとデメリット…
こうして比較するとデメリットの方が多く見えますが、上手に行えば含み損を大きな利益に変えることができます。
ただ、ナンピン買いをして含み損を利益に変えるには、一般的には追加資金だけでなく、かなりの時間も要します。
ですので、長期投資を覚悟した投資方法になることを覚悟した方が良いといえるでしょう。
ナンピン買いの意味がないパターン
ナンピン買いをしても意味がない場合があります。
いくつか条件があるのですが、代表的なものは以下の4パターン
- 投資資金が少ない人
- ファンダメンタルズが悪い銘柄
- 無配当or配当利回りの低い銘柄
- テクニカル分析で長期下落トレンドにある銘柄
ナンピン買いをするには資金が必要です。余裕資金がそれほど多くない場合には、素直に損切りして出直した方が良いでしょう。
ファンダメンタルズが悪い銘柄の場合は、株価の回復に長時間(数年)かかる場合がありますので、それだけの覚悟がある場合以外あまりおススメはできません。
配当収入もナンピン買いの重要な資金になるため、無配当銘柄や配当が少ない銘柄をナンピンするのもなるべく避けたいところです。
そして、テクニカル分析をして長期的に株価下落が続きそうな場合もやめておいた方が良いでしょう。
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