ロボトレーダーは、高パフォーマンスを実現できるサービスか判断しかねます。
肝心の知りたい情報は見つからず、過去の相場に当てはめた成績と理論上の利益ばかりが目立っているからです。
口コミや評判を調べてもヒットしないのは、誰もがロボトレーダーの実力を測りかねているからではないでしょうか。
ロボトレーダーのサービスを分析して分かった問題点を知り、本当に高いパフォーマンスを実現できそうか判断してください。
目次
ロボトレーダーは信用根拠が乏しい
ロボトレーダーには、サービスを利用したいと思うほどの材料が見つかりません。
反対に、見せかけの実績や数値を大きく見せようという姿勢ばかりが見えてしまいます。
利用する上での不安点も解消されないままです。
運営会社の主な実績はFX関連
ロボトレーダーがアピールしている実績はほとんどFX関連のものです。
HPに掲載されているアピールポイントを見るとどうも株というよりFXに偏りがある印象を受けてしまいました。
まず「特別企画 世界の一流とコラボレーション」という見出しの内容を見ると「レコルト」という会社とロボットを共同開発したとの記載。
レコルトという会社自体を知りませんでしたが、説明を読むと「FXのシステムトレードで賞を取った会社。」
引用元:ロボトレーダーより
FXシステムトレードの実績が株にも活かされるのか、いささか疑問が残ります。
そこで、実際にレコルトと共同開発されたというロボットの中で最も総利益が多いストラテジー「ノンコマーシャル・ハンマー」の詳細を見てみました。
案の定、バックテストの結果は好調に仕上がっているものの実運用開始後の成績(フォワードパフォーマンス)は年利3%ペースといまいち。
引用元:ロボトレーダー「ノンコマーシャル・ハンマー」より
高配当株に投資していた方が、低リスクで高い利幅を狙えます。
FXでのシストレ実績は株のシストレにはあまり関連しないことが分かりました。
この他、メディアの掲載実績もロボトレーダーではなく株式会社テラス社長が「FX」について取材を受けたものがほとんど。
引用元:ロボトレーダーより
フィナンシャル・マグネイト東京サミットでの受賞もFX関連事業に対してです。
引用元:ロボトレーダーより
引用元:TOKYO SUMMIT FOREX MAGNATES「AWARDS」より
あまりに実績がFXに偏りすぎていて、株のシステムトレード業界では実績がないものかと不安に感じてしまいました。
ロボットの売買ロジックが非公開
ロボトレーダーでは、ロボットのロジックが一切公開されていないため、ロボットの評価がしづらいです。
システムトレードのロボットはロジックの内容によって、使える相場・使えない相場などの特性を判断するためです。
各ロボットの評価材料は、ほとんどそのロボットで運用した場合の成績のみ。
引用元:ロボトレーダー「ノンコマーシャル・ハンマー」より
さらにこの成績は、バックテストと実運用後の成績を合算した数値です。
これではこのロボットが今後の相場でも使えそうなものか判断できません。
実際に使ってみないとどういう相場に強い・弱いが分からないため、使い始めはリスクを抱えることになります。
仮にデモトレードで実際のお金を使わずにシミュレーションしたとして、ロボットの特性を掴むのに数か月、長くて1年はかかってしまい、その間の利益獲得チャンスを逃すことになります。
ロボットのロジックが一切公開されていないと、どのロボットをどの相場で使えばいいか判断しづらいのです。
ロボットの実運用期間が短い
ロボトレーダーで提供されているロボットは、実運用期間が短く今後の相場でも有効かわかりません。
バックテストはあくまで過去の値動きをもとに成績を評価したもの。
未来の相場でも過去と同様に株価が動くわけではないため、バックテストはあくまで過去の成績と考えます。
ロボトレーダーで総合ランキング1位の「パンサー」というロボットがあります。
引用元:ロボトレーダー「パンサー」より
実はこのロボットの成績は2020年2月25日までバックテスト。
バックテストではいくらでも過去の相場に合わせて良い成績になるように調整出来てしまいます。
実運用期間9か月の結果では、どうにも判断が付かないというのが本音です。
バックテスト期間の成績がほとんどを占めるロジックは実力の評価ができません。
買い専門ロボは急変動に対応不可
ロボトレーダーの「買い注文専門」ロボットは、突発的な相場変動に対応できません。
株価が連日暴落するような相場では、何を買っても即含み損。
それでもロジックで抽出した銘柄を日々メールでお知らせしてくるのでしょう。
買い専門のロボット「JBロケットトレード」の利益推移グラフを見ると、コロナ相場で約100万円を失っています。
引用元:ロボトレーダー「JBロケットトレーダー」より
その後は短期で利益を盛り返していますが、ここまで資金が減れば暴落をきっかけにこのロボットを使わない選択をしてしまう可能性が大いにあります。
引用元:Twitter@takayoshi_muraiより
結果、多くの投資家が上の利益グラフの大底にあたるタイミングで、このロボットに見切りをつけ損失のまま終わってしまうのです。
市場全体が暴落を始めた2月末、当初はまさか1か月近くも暴落が続くとはほとんどの投資家が予想していなかったでしょう。
市場全体が続落していてもしばらくはシステムトレードに従って、株を買ってしまうのではないでしょうか。
するともちろん次から次に損失が増えていくわけです。
引用元:Twitter@Dorachan_comcomより
買い専門のロボを使うと、コロナ相場のような市場暴落の局面には対応できず大損してしまう怖さがあります。
損切りは結局投資家の実力勝負
ロボトレーダーには、損切りの判断が結局投資家の実力次第になる怖さがあります。
というのも、HPや各ロボット詳細ページを見ても損切り時の対応について明記されていないからです。
一般的にシステムトレードのロボットを選ぶ際に、損切り幅の%や損切り根拠を見るトレーダーの方も少なくありません。
しかし、ロボトレーダーのロボットは何%の損失幅で損切り指示を出してくれるのか不明。
売買指示も1日1回のメールを待つしかないため、緊急時の対応に不安を感じます。
待っていたらどんどん損失は膨れ上がっていくばかり。
さらにロボットによっては損切りではなく、ナンピンの指示を出す可能性もあります。その後株価続落したら損失拡大のスピードは2倍以上になる計算に。
かと言って、自分の判断で損切りしたら翌日には株価が上昇に転ずることも。
引用元:Twitter@super_rtiより
損切りのロジックが公開されていないため、含み損が拡大していく中で完全に売買ルールを信じ切るのは至難の業です。
適切なタイミングで損切りし、なるべく損を小さく抑えるには結局のところ投資家自信の技量や感情コントロールがモノを言います
ロボトレードは不安が残るサービス
ロボトレードは投資判断の全てを任せるには、信用しきれないサービスです。
銘柄抽出のロジックが一切明かされておらず、「総利益」の数字もバックテスト期間を含んだもの。
本当にいまの相場で高パフォーマンスを出せるロボットたちなのか分かりません。
損切り対応も結局投資家任せとなり、本来よりも損失が膨らんでしまいそう。
ロボトレードに銘柄選びを任せるには不安が残ります。
その他、「これから買うべき銘柄」を教えてくれるサービスには
・株式会社フィスコが運営する
「FISCO AI」
・システムトレードの
「QuantX」や「イザナミ」
などがあります。
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