片山晃氏は日本を代表する個人投資家です。
日本経済新聞によると2020年時点の資産は150億円に達し、保有銘柄の動向は市場の注目を集めます。
片山晃氏の保有銘柄として知られることで市場の注目が集中し、株価急騰することも……。
2022年最新の片山銘柄に関する情報と合わせて過去の片山銘柄や片山晃氏の投資手法をお届けします。
※モダリス株の制度ロックアップ違反の経緯についても追記しています。
目次
片山晃(五月)氏の投資手法
片山氏の投資手法は「小型成長株への集中投資」です。
小型株を狙うのは、機関投資家が手出しをしてこないから。
集中投資は、いざ狙った銘柄が上昇したときに得られるリターンが多いからです。
主にファンダメンタルズ分析を行い、開示情報を見て投資先の銘柄を見極めます。
小型株とは言え、ただ割安株(ボロ株)に投資するのではありません。
割安株は市場全体が低迷しているときはあがりませんが、小型成長株は市場の雰囲気に関係なく成長する可能性のある株です。
決算短信でわかる業績の変化や世の中のトレンドから連想して需要の上がる企業に目を付けます。
片山氏はこの投資手法で65万円を130億円まで、資産を約2万倍にしています。
最近だとAIによる銘柄選定を活用する方も増えているようです。
中でもAIphaは利用者からの評判上々の銘柄スクリーニングツールの一つ。
どんな相場にも対応できる力を身に着けるという点で言えば、AIphaを頼るのも選択肢だと思います。
片山晃(五月)氏の経歴と資産推移
2005年に株式投資を始めてから2020年までの資産推移について解説します。
2005年5月23歳:資産65万円
当時23歳の片山氏は投資をテーマとしたテレビドラマ「ビッグマネー」に影響され、65万円から株式投資をスタート。
当時の投資手法はデイトレードメインの短期売買でした。
2007年25歳:資産1,000万円
株デビューしてからわずか2年で資産1,000万円を突破。
尋常ならざる才能を感じますが、当のご本人は「デイトレードは自分には向いていない」と判断。
2008年のリーマンショックの影響もあり、スイングトレードを含む中長期投資に手法を変えています。
そこから資産拡大のスピードはさらに加速。
2009年27歳:資産5,000万円
2年で資産を5倍に。
2010年28歳:資産1億円
さらに1年後には大台の資産1億円を突破。
決して多くはない初期資金65万円をたった5年で1億円まで拡大した片山晃氏。
その後も雪だるま式に資産拡大し…
2012年30歳:資産12億円
2012年には資産12億円に。
この時点で既に一般の個人投資家とは一線を画す資産規模ですが、ここで投資家としての転機が。
2013年2月に「しばらく投資を辞める」ことを宣言。引用元:ZAi ONLINE「資産2000倍の元カリスマ個人投資家・五月さんはなぜ「ひふみ投信」に入ったのか?」より
そのタイミングでひふみ投信を提供するレオス・キャピタルワークスと縁があり、運用チームへ入社。
機関投資家としてデビューし、他人のお金を運用する立場に移ります。
これまで、優秀な個人投資家が機関投資家になったら…という話が冗談で交わされることはよくあったと言います。
しかし既に十分な資産を築いた個人投資家がわざわざ精神的な負担を追いながら他人のお金を運用する理由がなく、実現することはなかったとのこと。
確かに日本の個人投資家でトップクラスに知名度の高いBNF氏も、ソフトバンクグループ会長の孫正義氏に資産運用を打診され断ったという話があります。
個人投資家で成功していながら機関投資家としてもデビューした片山晃氏。
生粋の投資家であることが伺えます。
その後2014年にはレオス・キャピタルワークスを退社し、未上場企業へ投資をする法人シリウスパートナーズを設立。
2014年32歳:資産25億円
株式投資も依然好調で2014年に資産は25億円を突破。
勢いそのままに2年後にはなんと…
2016年34歳:資産130億円
2016年には130億円まで資産拡大しています。
2020年38歳:資産150億円
2020年には資産150億円を達成。
2020年8月公開の日経電子版の記事では140億円、12月には150億円投資家と紹介されているため、数か月の間に10億円を稼いでいることが分かります。
そんな凄腕投資家の片山晃氏の2021年最新保有銘柄は3つです。
2021年最新の片山銘柄2つ
2021年現在、片山晃氏が大株主として保有する銘柄は2社。
保有開始時期が新しい順に並べると以下の通りです。
- 鈴木(6785)
- ジーンテクノサイエンス(4584)
モダリス(4883)
―2020年12月
―2019年9月
―2020年6月
※モダリス株は制度ロックアップに違反し、2020年のうちに全株を売却していたことが判明。
詳しくは「片山晃氏のモダリス株ロックアップ違反について」をご覧ください。
それぞれどんな事業を展開する企業か簡単に解説します。
鈴木(6785)
鈴木(6785)はスマホや自動車向けの精密部品を扱う会社です。
現在業績は大幅続伸中。
今後の普及が見込まれる5Gや半導体向け部品、大手自動車メーカーへの部品供給から今後のさらなる業績拡大に期待されます。
2021年2月10日に片山晃氏による保有が判明し、当日のSNSを騒がせました。
鈴木のテクニカルチャート
引用元:SmartChart PLUS「鈴木(6785)」より
業績の急拡大とともに株価も大きく押し上げています。
急騰後には調整ムードが漂っていますが、このまま株価を下げれば業績が好調なだけに逆張りのチャンスとも捉えられます。
1,400円付近には3年ぶりの高値ラインがあり、うわ抜ければさらなる大化け株になる可能性も。
今後も株価の動向から目が離せません。
ジーンテクノサイエンス(4584)
続いてジーンテクノサイエンスも東大医科学研究所発のバイオベンチャー。
再生医療などの新薬開発に取り組んでいる企業です。
2019年9月に大株主として登場し、2020年2月の時点で全体株式の3.35%にあたる925,000株を保有していることが記録されています。
ジーンテクノサイエンスのテクニカルチャート
引用元:SmartChart PLUS「ジーンテクノサイエンス(4584)」より
ジーンテクノサイエンスの株価は2018年から1年半ほど下落トレンドにありました。
そんな中、2019年の9月に大株主として登場したのが片山晃氏です。
偶然か必然か、「片山晃」の名前が出て以降、下落トレンドの上値をブレイクして上昇トレンドに転じています。
やはり片山氏の保有銘柄には期待ができると言えるでしょう。
2020年現在では、新型コロナの影響を受けて株価は安値圏にあります。
今後カップウィズハンドルを形成して株価上昇を続けるか注目したいところです。
つぎに片山晃氏が大株主となる価値があると評価したジーンテクノサイエンスがどんな会社なのか、少し解説していきます。
ジーンテクノサイエンスの事業内容
- バイオ新薬事業
- バイオシミラー事業
- 新規バイオ事業(再生医療)
バイオ新薬事業では、細胞や遺伝子などの力を活用してこれまでにない新しい医薬品を開発に取り組んでいます。
開発した薬で治療できる患者の数が多いほど、投資家の期待が膨らみ株価が上昇します。
また、バイオ銘柄では治験の結果にも注目が集まります。
バイオシミラー医薬品とは、一般医薬品におけるジェネリックのようなイメージです。
既にあるバイオ医薬品と似た後発医薬品を作り、安価で高品質なバイオ医薬品を普及させることを目指します。
再生医療は、患者の細胞や組織を用いて臓器や組織の機能を修復するなどの効果があります。
難病等への最も効果的な治療法として投資家からの注目が高いです。
【売却済み】モダリス(4883)
モダリス(4883)は2020年8月3日に東証マザーズに上場した遺伝子治療の東大発バイオベンチャー。
これまで新薬開発の対象とならなかった希少な疾患をターゲットとして治療薬を開発します。
片山晃氏は発行済み株数の3.19%にあたる80万株を保有しています。
モダリスのテクニカルチャート
引用元:SmartChart PLUS「モダリス(4883)」より
株価は8月の上場から1か月の間にはやくも約2倍の急上昇を遂げています。
片山晃氏が大株主となったことで注目が集まったことも株価急騰の理由の1つかもしれません。
バイオ銘柄はハイリスク・ハイリターン
バイオテクノロジー関連銘柄の企業利益は新薬への研究開発費のために赤字である場合が多いです。
それでも新薬の臨床試験が成功した際に生み出す社会への貢献度が高いため、期待感から株価が上昇するケースや実際に治験に成功して株価が数倍まで上昇するケースもあります。
一方、期待されていた治験が失敗に終わると、株価は大きく暴落することもあり、ハイリスク・ハイリターンの分野だと言えます。
- サンバイオの株価8分の1事例
- テラの株価23倍事例
サンバイオ(4592)は脳の再生治療薬の開発に対する期待感が膨れ上がり、急速に株価が上昇を続けていた注目銘柄でした。
2年前の株価までさかのぼってみると、株価は約12倍まで伸長しています。
ところがアメリカでの新薬開発に関する治験が失敗に終わり、この結果を受けて失望売りが殺到し、株価は4営業日で4分の1へと暴落しました。
テラ(2191)は新型コロナウィルスへの治療薬開発に関して共同研究契約の締結を発表。
当時テラの株価は比較的割安であったことや、新型コロナウィルス打開への期待感から株価は急騰し、約23倍に到達しました。
過去の片山銘柄一覧
- トリケミカル研究所(4369)
- 日本ライフライン(7575)
- パピレス(3641)
- チャーム・ケア・コーポレーション(6062)
- ヒロセ通商(7185)
- ナガオカ(6239)
- トレンダーズ(6069)
過去に片山氏が大株主として保有していたものの、現在は大株主一覧から名前がなくなった銘柄の一覧です。
片山銘柄は他の投資家からの注目度が高く、保有が発覚すると株価が上昇するケースもありました。
それだけ投資の動向が注目されるほどの投資眼を持つ片山晃氏の「いま」を追える媒体は主に3つです。
有名個人投資家の片山晃(五月)とは
片山晃(かたやまあきら)氏は、ネット上では「五月(ごがつ)」というハンドルネームで知られています。
個人投資家でありながら大株主一覧に載ってくる凄腕です。
ツイッター名は「五月」で運営
片山晃氏は五月というアカウント名でツイッターを更新しています。
発信内容は、主に競馬、ゲーム、Vtuber、投資についてです。
株式投資についての投稿がないわけではありませんが、あまり多くはない印象を受けました。
⇒ツイッターリンク
片山晃氏の投資ブログ
- 新しいブログ「株と競馬と企業経営」(2019年11月~)
- 以前のブログ「東証Project~相場はこの世の幻想郷」(2007年10月~2018年3月)
片山氏の旧投資ブログには2007年から記事が残されており、いまでも閲覧できるようになっています。
ちょうど資産が1,000万円に到達したあたりの記事。
資産1,000万円は多くの個人投資家が設定している目標ラインの1つでしょう。
資産数百億を超える凄腕投資家が当時、どんなことを考えながら投資を行っていたのかが知れる唯一の媒体です。
片山晃氏登場のネット記事一覧
片山氏は有名個人投資家としては数少ない、「実名顔出しでのメディア登場」が多い方です。
2020年においても投資メディアでの取材に応じており、それらから学べることも多々あります。
- 日本經濟新聞
- Zeppy投資ちゃんねる(YouTube)
片山晃氏の共同書籍「勝つ投資 負けない投資」
片山氏は「不敗の機関投資家」小松原周氏と共同で書籍も出版しています。
タイトルは「勝つ投資 負けない投資」です。
自身が資産を増やしてきた実績を交えながら「勝つ株式投資の秘訣」について解説しています。
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片山晃氏が十数年ぶりにFX再開
2022年11月、片山晃氏のTwitterアカウントでは十数年ぶりにFX取引を再開したことが報告されています。
歴史的な円安・ドル高の相場で為替取引がチャンスと見た投資家の相場観が彼を動かしたのでしょうか。
一時1ドル152円の値をつけたドル円ですが、専門家の見方ではそろそろドル安への転換も近いとされています。
急激な円安相場が始まる以前の価格へ値が戻っていくとしたら、この上ない稼ぎ時であることは間違いありません。
トレードの世界では買いポジションを「ロング」、売りポジションを「ショート」と言います。
この語源は値動きの特性として価格上昇時は緩やかに、価格下落時は急速に下げていくことから来ています。
これからドル円が下げる展開になれば底値をつけるまでそう長くはかからないかもしれません。
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片山晃氏のモダリス株ロックアップ違反について
片山氏は2021年3月24日、自身のTwitterに謝罪文を投稿。
内容は大株主となっていたバイオ銘柄モダリス(4883)の「制度ロックアップ違反」について。
片山氏は上場前に同株の第三者割当を受けており、この株式は上場日(2020年8月3日)から半年間は譲渡(売却を含む)してはいけないというルールがありました。
あるいは譲渡(売却)する際は事前にモダリスへ報告をしなくてはならなかったものです。
ところが片山氏は上記のルールを失念。
制限期間中に市場で60万株(約18億円相当)を売却していました。
このチャートを目の前にしたら売りたくなるのも無理はないですが……
片山氏の売却によってさらに下落の勢いが増してしまったとも考えられ、そういった事態を防ぐためのロックアップですから、SNSでは厳しいコメントが寄せられています。
この一件に関して片山氏は既にモダリス社および取引所への報告を済ませており、今後は同様の事態がないよう再発防止に努めるとのことです。
その後2021年3月26日、片山氏からモダリスへロックアップ違反への対応が提案されます。
内容は主に以下2点。
- ロックアップに違反して得た金額とロックアップに違反せず制限期間後に売却した場合に得られた金額の差額、約4億円を支払う
- ロックアップに違反したペナルティとして約8,000万円を東証に支払う
結果として2点目の東証への金銭の支払いは現実的ではないとして、モダリス社が2案目の8,000万円も合わせて計4.8億円を受領することに。
モダリスは受領した資金を元に事業を発展させることで最終的に株主へ還元していくとのことです。
引用元:株と競馬と企業経営「モダリス株の制度ロックアップ違反に関するお詫び」より
引用元:株式会社モダリス「「第三者割当により割り当てられた株式の譲渡に関する報告書」の提出に関するお知らせ」より
引用元:株式会社モダリス「大株主による制度ロックアップ違反の追加情報について」より
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